自動車のシガーソケット回路などで、並列接続なのに電圧降下が発生する現象は、理想的な並列回路の話だけでは説明できません。現実の車両配線では、配線抵抗や接触抵抗が存在するため、負荷が増えると電圧が低下します。
理想的な並列回路と現実の差
理想的な並列回路では、各負荷は同じ電圧を受けます。しかし、車両配線には抵抗が存在します。電流が流れると、オームの法則V=IRにより、配線上で電圧降下が生じます。
電圧降下の計算式
配線抵抗をR_wire、負荷抵抗をR_loadとすると、負荷にかかる電圧V_loadは次の式で求められます。
V_load = V_battery – I_total * R_wire
ここでI_totalは全負荷に流れる電流の合計で、並列負荷の場合はI_total = Σ(V_load / R_load_i)です。電流が増えるほど配線での電圧降下が大きくなるため、フロントでシガーライターを使用するとリアの電圧が低下し、FMトランスミッターの電源が落ちるのです。
具体例
仮にバッテリー電圧が12V、配線抵抗が0.1Ω、フロント負荷が2A、リア負荷が1Aの場合。
電圧降下 = I_total * R_wire = (2A + 1A) * 0.1Ω = 0.3V
従って、リア端子の電圧は12V – 0.3V = 11.7Vとなり、敏感な機器では電源低下として認識されます。
まとめ
自動車の並列回路でも電圧降下が起こる理由は、配線や接触抵抗によるものです。理想回路では起こらない電圧低下も、現実的な配線を考慮すると理解できます。高負荷時にはリレーや太い配線で電圧低下を抑える対策が必要です。


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