ブーゲー異常と地殻密度の関係を数式で理解する方法

地学

地球物理学の重力探査では、観測された重力値から地殻の密度分布を推定するためにさまざまな補正が行われます。その中でも特に重要なのがブーゲー補正で、地殻密度との関係を正しく理解することが、地質構造解析に不可欠です。

ブーゲー異常とは何か

ブーゲー異常は、観測された重力値から標準重力や補正値を引いた差として定義されます。式で表すと以下のようになります。

ブーゲー異常 = 補正値 – 標準重力

補正値にはフリーエア補正、地形補正、そしてブーゲー補正が含まれます。これらの補正により、観測地点周辺の地形や高度の影響を取り除き、純粋に地殻の密度異常に基づく重力変化を抽出できます。

ブーゲー補正と地殻密度の関係

ブーゲー補正は地殻の密度に依存し、厚さHの地殻がある場合、補正値は以下のように表されます。

ブーゲー補正 = – 2πGρH

ここでGは万有引力定数、ρは地殻密度、Hは厚さです。この式から分かるように、密度ρが大きいほど補正値は負に大きくなります。つまり、高密度の地殻では、ブーゲー補正によって重力値が下がる方向に調整されます。

ブーゲー異常と密度異常の解釈

ブーゲー異常が正の値を示す場合、これは観測地点周辺に低密度の地殻が存在することを意味します。逆に、負のブーゲー異常は高密度地殻を示唆します。

たとえば、花崗岩(低密度)と玄武岩(高密度)の分布を考えると、花崗岩の領域ではブーゲー異常が正に偏る傾向があり、玄武岩では負の偏りが大きくなります。こうしてブーゲー異常を密度異常の指標として活用できます。

実際の計算例

厚さH = 10 km、密度ρ = 2700 kg/m³の地殻の場合、ブーゲー補正は次のように計算されます。

ブーゲー補正 = -2 × π × 6.674×10⁻¹¹ × 2700 × 10000 ≈ -1.13 mGal

この値は観測重力から差し引かれるため、高密度の地殻ほど補正が大きくなることが確認できます。

まとめ

ブーゲー異常は補正後の重力値と標準重力との差で表され、地殻密度の異常を反映します。ブーゲー補正は密度が大きいほど負に大きくなるため、ブーゲー異常が大きい場合は密度が小さい領域を示すことになります。数式で理解することで、密度異常と重力異常の関係を正確に解釈でき、地質調査や資源探査に応用できます。

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