テンソル積は線形代数や多様体理論で重要な概念であり、二つのベクトル空間の組み合わせに新しいベクトル空間を作り出します。ここでは、体K上の有限次元ベクトル空間MとNのテンソル積M⊗Nの次元がdim M × dim Nとなることを示します。
ベクトル空間の基底の選択
まず、MとNの基底をそれぞれ選びます。Mの基底を{m₁, m₂, …, mₖ}、Nの基底を{n₁, n₂, …, nₗ}とします。ここでdim M = k, dim N = lです。
基底を選ぶことで、テンソル積の要素を具体的に扱うことが可能になります。
テンソル積の生成
テンソル積M⊗Nは、形式的にm⊗nという形の要素を生成します。ここでm ∈ M, n ∈ Nです。線形結合と線形性の条件により、任意の要素は基底テンソルmᵢ⊗nⱼの線形結合で表せます。
したがって、{mᵢ⊗nⱼ | 1 ≤ i ≤ k, 1 ≤ j ≤ l}がM⊗Nを生成します。
線形独立性の確認
次に、この生成集合の線形独立性を確認します。仮に線形結合∑_{i,j} α_{ij} (mᵢ⊗nⱼ) = 0が存在すると仮定します。α_{ij} ∈ Kです。
この場合、α_{ij} = 0でなければ、左辺がゼロになることはないため、全てのα_{ij}は0である必要があります。従って、集合{mᵢ⊗nⱼ}は線形独立です。
次元の計算
線形独立かつ生成する集合の要素数はk × lです。したがって、dim(M⊗N) = k × l = dim M × dim Nとなります。
この証明は有限次元ベクトル空間における標準的な結果であり、テンソル積の基本的性質を示しています。
まとめ
まとめると、K上の有限次元ベクトル空間M, Nについて、基底を選び、その基底テンソルの線形独立性と生成性を確認することで、dim(M⊗N) = dim M × dim Nが成り立つことが証明できます。この結果は、テンソル積を用いた線形代数の応用や多次元解析の基礎となります。


コメント