真空管アンプの製作では、FETを用いた電源回路の電圧調整が非常に重要です。特に71Aシングルアンプのような回路では、想定より高い電圧が出る場合、ツェナーや周辺部品の選定、配線方法に注意する必要があります。本記事では、FET電源回路の基本原理と出力電圧調整の具体例について解説します。
FET電源回路の基本構造
FET電源回路では、MOSFETやJFETを使用して電圧を安定化させます。FETのゲートに接続されるツェナーや抵抗の値によって、出力電圧が決まります。
例えば、1N4744Aのような15Vのツェナーを使用する場合、FETのソース・ドレイン間での制御電圧が適切でないと、期待する210〜220Vが得られず、270V程度の高めの電圧が出ることがあります。
ツェナーの役割と選定
ツェナーはゲートの基準電圧を決定するための部品です。1N4744A(15V)の場合、電流が増えると電圧降下が起こることもあり、回路全体の出力電圧に影響します。
実例として、回路図に基づき22V程度のツェナーに変更すると、FETの出力電圧がより安定し、希望する210〜220Vに近づけることができます。
周辺回路の影響
FET周りの抵抗値やコンデンサの容量も電圧に影響します。特にソース抵抗やドレイン抵抗の値が回路図と異なる場合、出力電圧が大きく変動することがあります。
例えば、ソース抵抗を増やすと電圧が下がり、逆に減らすと電圧が上がります。したがって、出力電圧が高すぎる場合は、抵抗値の見直しやツェナー電圧の調整が有効です。
実測とシミュレーションの比較
回路を組み立てた後、テスターで電圧を確認すると、理論値とずれることがあります。これは負荷状態やFET特性のバラつきによるものです。
実例として、パワー段に負荷を接続した状態で測定すると、回路単体での理論電圧より若干低くなることがあります。このため、実測に基づく微調整が必要です。
安全性と注意点
高電圧回路での作業は非常に危険です。FETの出力が想定より高い場合、真空管や他の部品を破損する可能性があります。必ず適切な抵抗とツェナーで出力を制御し、テスターで逐次確認しながら調整してください。
また、電源回路の設計を改造する場合は、必ず安全を最優先に作業しましょう。
まとめ
71Aシングル真空管アンプのFET電源回路で理想的な210〜220Vを得るには、ツェナー電圧の選定、ソース・ドレイン抵抗の調整、負荷条件での実測確認が重要です。適切な部品と微調整により、安全かつ安定した出力電圧を実現できます。


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