アポロ計画で樹脂が廃止されたって本当?プラスチック排除とガムテープ活躍の真実

天文、宇宙

映画『アポロ13』をご覧になって、「プラスチックを全廃したはずなのにガムテープが出てきたのはなぜ?」と疑問に思った方は多いでしょう。本記事ではアポロ計画での安全対策と、実際にガムテープが使われたエピソードについて整理して解説します。

アポロ1号火災事故後の安全対策

アポロ計画初期にはアポロ1号の地上テストで火災事故が発生し、搭乗員3名が死亡するという大惨事が起こりました。この事故を受けてNASAは安全性を最優先し、船内に使われる材料の見直しを行いました。燃えやすい素材については、燃焼しにくいものに置き換えるなどの対策が取られました。具体的には、可燃性が高い素材を排除し、自己消火性の高い素材や耐火性の布(ベータクロス)などが採用されました。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

したがって「プラスチック類をすべて廃止した」という表現は極端ですが、火災リスクの高い可燃物を低減する努力が続けられた、というのが正確な理解です。

アポロ機のカメラなど機器の素材

アポロ計画で使われたカメラや機器は、極端な環境や安全基準に対応するために仕様が特別に設計されました。例えばハッセルブラッドなどの撮影機材は宇宙環境に耐えるように特注仕様にされ、温度変化や真空下での耐久性が求められました。こうした機器の素材選定には可燃性や揮発性を考慮した対策が講じられていますが、具体的に“すべて樹脂を金属にした”という主張は誇張された表現で、機材ごとに安全基準の範囲内で最適な素材が使われています。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

アポロ13号でガムテープが登場した理由

アポロ13号の最大のピンチは、サービスモジュールの酸素タンク爆発事故後に環境制御系の二酸化炭素除去装置が使えなくなったことです。その際に、司令船用と月着陸船用で形状の異なるリチウム水酸化物カートリッジをつなげる必要が生じ、地上管制が乗組員に対して“応急用アダプター”の制作方法を伝えました。この工作にはプラスチック袋や段ボール、そしてガムテープが実際に使われています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

ここでの“ガムテープ”は船内の備品として持ち込まれていた修理用テープ類であり、プラスチック素材とは機能や用途が異なります。宇宙船の安全基準に合わせた特別仕様のテープが装備品として搭載されていたため、火災リスクが問題となるような不要な可燃素材とは区別されていました。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

映画『アポロ13』と実際のエピソード

映画ではこの二酸化炭素フィルターのアダプター製作シーンでガムテープが強調されましたが、実際のNASAの運用記録でもテープを使用したことは有名なエピソードとして残っています。この「ガムテープ工作」はNASAならではの即興的な対応力を象徴するものとして語られており、計画段階から素材の安全性を徹底した設計が行われていた中でも必要な場面で有効に利用された例です。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

まとめ:樹脂廃止の誤解とガムテープの登場

アポロ計画では火災事故を教訓に安全性向上のために可燃性材料の使用を抑える設計が進められましたが、「すべてのプラスチックを廃止した」という表現は誇張です。また、アポロ13号の酸素事故対応で登場したガムテープは、船内での緊急工作に使われた特別装備のテープであり、通常の燃えやすい樹脂素材とは異なるものでした。映画での描写はその実話に基づいたものであり、誤情報ではなく「状況に応じた素材利用」の一例として理解するのが適切です。

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