高校化学の電池と電気分解の問題:ファラデー定数と電子1個あたりの電気量の求め方

化学

高校化学の実験問題で、電池と電気分解に関する課題に直面することがあります。特に、電気分解を通じてファラデー定数や電子1個あたりの電気量を求める問題は、少し複雑に感じるかもしれません。この記事では、実験結果をもとにファラデー定数や電子の電気量を計算する方法をわかりやすく解説します。

問題の設定と与えられた情報

実験の設定は、2つの電解槽がコックで連結された装置を使用して、塩化ナトリウム水溶液を電気分解したというものです。電流0.16Aが10分間流され、その結果、陰極側に11.2mlの気体が捕集されました。気体は水素ガスであると仮定します。また、赤く変色した水溶液はフェノールフタレインによる色変化であり、これは水素ガスの発生を示しています。

必要な理論と計算の流れ

この問題では、いくつかの基本的な化学の法則を使用して計算を行います。まず、ファラデーの法則に基づき、電気分解によって発生した水素ガスの体積から電荷量を計算します。その後、ファラデー定数を求め、最終的に電子1個あたりの電気量を求めます。

ステップ1: 気体の体積を用いて電気量を計算

まず、実験で得られた水素ガスの体積11.2mlから、標準状態(0℃、1気圧)での気体のモル数を求めます。理想気体の法則を使うと、1molの気体は22.4Lの体積を占めます。この関係を利用して、水素ガスのモル数を計算します。

水素ガスの体積が11.2mlなので、これをL単位に換算し、理想気体の法則を適用します。したがって、気体のモル数は次のように求められます。

モル数 = 体積(L) / 22.4 (L/mol)

ステップ2: ファラデー定数の計算

次に、電流と時間を用いて電気量を計算します。電気量は、電流と時間の積として求めることができます。電流0.16Aが10分間流れたので、電気量Qは次のように求められます。

Q = I × t

ここで、Iは電流(A)、tは時間(秒)です。時間は10分(600秒)ですので、Qを求めることができます。

ステップ3: 電子1個あたりの電気量の計算

最後に、ファラデー定数を求めるために、1molの水素分子が発生するために必要な電気量を求めます。水素分子は2個の電子を必要とするため、計算した電気量をモル数で割ることでファラデー定数を得ることができます。この結果から、1個の電子あたりの電気量を求めることができます。

まとめ

このように、実験で得られたデータをもとに、ファラデー定数や電子1個あたりの電気量を求めることができます。電気分解の問題は、基本的な化学の法則を理解していれば、順を追って計算することで解決可能です。電流、時間、気体の体積を適切に使用し、理想気体の法則やファラデーの法則を駆使して解答にたどり着きましょう。

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