期待値の計算方法は、ギャンブルや投資、リスク管理において重要な役割を果たします。ダニエル・カーネマンの『ファスト&スロー』の中で紹介されているサミュエルソンのコイン投げのギャンブル問題に関する計算を例に、期待値の理解を深めましょう。特に、コイン投げにおける異なるシナリオの期待値の算出方法について解説します。
期待値とは?
期待値とは、ある確率的な出来事の結果に対して、長期的に得られる平均的な値を指します。ギャンブルのような不確実な状況において、期待値は、どのような結果が最も予測可能であるかを知るための手がかりとなります。期待値は次の式で計算できます。
期待値 = (結果1の値 × 確率1) + (結果2の値 × 確率2) + …
コイン投げのギャンブル問題の設定
カーネマンが紹介したサミュエルソンの問題では、コイン投げを使って2つのギャンブルのシナリオを比較します。以下の2つのシナリオにおける期待値を計算してみましょう。
- シナリオ1:負ければ100ドル、勝てば200ドル
- シナリオ2:負ければ200ドル、勝てば200ドル(損失が2倍)
まず、シナリオ1では、コインが表か裏かを決める確率は50%ずつです。このため、期待値は以下のように計算されます。
期待値 = (200ドル × 50%) + (-100ドル × 50%) = 100ドル – 50ドル = 50ドル
シナリオ2では、負けた場合に200ドルの損失、勝った場合に200ドルの利益が得られます。こちらの期待値は、以下のように計算できます。
期待値 = (200ドル × 50%) + (-200ドル × 50%) = 100ドル – 100ドル = 0ドル
「50%の確率で100ドルの得」となる理由
質問者が疑問に思っている「50%の確率で100ドルの得」という部分についても解説します。ここでは、コイン投げを2回行うシナリオを考えます。シナリオ1とシナリオ2の確率を計算する際、以下のように結果を整理します。
- 負け負け(-200ドル)、負け勝ち(+100ドル)、勝ち負け(+100ドル)、勝ち勝ち(+200ドル)
シナリオ2では、各回のコイン投げの結果が異なるため、それぞれに対応する得られる金額を計算します。負け勝ちまたは勝ち負けの組み合わせでは、100ドルの得が生じます。これが50%の確率で得られる理由です。残りの25%は400ドルの損失、25%は400ドルの得となります。
期待値の計算:シナリオ2の詳細
シナリオ2の計算をもう一度整理すると、コイン投げが2回行われ、4つの結果(負け負け、負け勝ち、勝ち負け、勝ち勝ち)に分けられます。それぞれに対応する金額は次の通りです。
- 負け負け:-400ドル
- 負け勝ち:+100ドル
- 勝ち負け:+100ドル
- 勝ち勝ち:+400ドル
これらを確率とともに計算すると、次のようになります。
期待値 = (-400ドル × 25%) + (100ドル × 50%) + (400ドル × 25%)
期待値 = -100ドル + 50ドル + 100ドル = 50ドル
結論
期待値の計算方法は、各結果に対して確率を掛け算し、その合計を取るというシンプルな手法です。サミュエルソンの問題のように、複数回のギャンブルにおける結果を考える際にも同様の方法で期待値を計算することができます。「50%の確率で100ドルの得」が生じる理由は、2回のコイン投げにおける特定の組み合わせによるものです。期待値を正確に計算することで、ギャンブルや投資におけるリスクをよりよく理解することができます。


コメント