冷凍機の運転において、液面計の故障が原因で発生するオイル上がりやオイルフォーミングの問題は、設備の効率や寿命に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に二段圧縮一段膨張の冷凍機では、この問題がどのように発生し、どのように対策を講じるべきかを詳しく解説します。
液面計故障が引き起こすオイル上がりのメカニズム
冷凍機における液面計は、受液器内の冷媒の液面を常に監視する重要な役割を担っています。液面計が故障すると、受液器の液面が適切に維持できなくなり、低圧縮機で発生する油上がり(オイルキャリー)が引き起こされることがあります。この現象は、冷媒とオイルが混合されて高圧側へとキャリーオーバーされる現象です。
特に、冷却器後の受液器で液面計が故障している場合、冷媒が液体状態で受液器に十分に供給されず、オイルが圧縮機内に逆流することになります。これが低段圧縮機における油上がりの原因となり、オイルフォーミングやその他のトラブルを引き起こします。
オイルフォーミングの原因と影響
オイルフォーミングは、冷凍機内でオイルと冷媒が混ざり合い、泡状のオイルが生成される現象です。これが発生すると、圧縮機内で正常な潤滑が行われなくなり、摩擦が増加して部品の摩耗が進行します。また、冷媒の圧縮効率が低下し、システム全体の性能が悪化します。
オイルフォーミングは、液面計の故障により、受液器内で冷媒とオイルのバランスが崩れることから生じます。冷媒が十分に液化せず、オイルが過剰に圧縮機に持ち込まれるため、圧縮機内部でオイルが泡立ち、冷却性能の低下を引き起こします。
液面計故障時の対処法
液面計の故障によってオイル上がりやオイルフォーミングが発生する場合、まずは液面計の修理または交換が最優先です。故障した液面計を早急に修理し、受液器内の液面が適切に維持されるようにすることが重要です。
また、液面計の故障が発生する前に、定期的なメンテナンスを行い、液面計の状態を確認することが予防策として有効です。さらに、冷媒とオイルの適切な管理が必要で、オイルキャリーやオイルフォーミングのリスクを最小限に抑えるための対策を講じることが求められます。
油上がりが起こる時の対応方法
油上がりが起きるのは、圧縮機が起動した際に最も多く見られます。この現象を防ぐためには、冷媒とオイルの供給が適切に行われているか、そして圧縮機内の圧力が正常範囲内に収まっているかを確認することが必要です。
さらに、圧縮機の負荷が高すぎる場合やオイルの粘度が適切でない場合も油上がりを引き起こすことがありますので、オイルの種類や粘度についても再確認し、必要に応じて交換することが推奨されます。
まとめ
二段圧縮一段膨張冷凍機において、液面計の故障はオイル上がりやオイルフォーミングといったトラブルの原因となることがあります。これらの現象は、冷媒とオイルのバランスが崩れることから生じます。液面計の修理や交換を行うとともに、冷媒とオイルの管理を徹底し、定期的なメンテナンスを実施することが、冷凍機の正常運転を維持するために重要です。


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