文選第43巻與山巨源絕交書の注の部分:書き下しと日本語訳

文学、古典

『文選第43巻與山巨源絕交書』の注部分に関して、具体的な書き下しと日本語訳を以下に示します。

書き下し文

向日:術,法也。外,踈也。滋味,美味也。寂漠,安静也。無為,無事也。言我好養生,踈榮華,縱無九患,亦不眷顧足下所好榮華也。善曰:高誘《呂氏春秋注》曰「外,猶賤也。」《莊子》曰:「夫恬惔寂寞, 虛無無爲,此天地之平,而道德之篤也。」濟曰:頃時已來,疾病增篤[四一],自度必不堪己所不樂之事也。善曰:言己所不樂之事,必不能堪而行之。良曰:言我自決已審定也。道盡塗窮,謂死也。寃,猶枉屈也。溝壑,坑也。善曰:《左氏傳》曰:「侍者謂楚王曰:『老而無子,知擠於溝壑矣。』」

日本語訳

『向日』とは術、法のことを指す。『外』は疎遠であること、つまり人間関係の薄さを表し、『滋味』は美味しい味を指す。『寂漠』は安静な状態を意味し、『無為』は無事な状態、何事も起こらないことを示している。

また、私は養生を良しとし、栄華を捨て、九つの患いがなくても、あなたが好きな栄華には見向きもしないと言っている。善しとする者は、呂氏春秋の注釈に言う、『外』は依然として賤しいものであると述べている。『庄子』においても、恬惔と寂寞、虚無と無為こそが天地の平衡を保ち、道徳が深まると述べている。

続いて、疾病が増す中、自己の力量ではできないこと、喜ばないことは行わないという決心を示している。そして道が尽き、最終的には死に至ることを表しており、『寃』とは屈辱、苦しみを意味し、『溝壑』は深い穴や壕のことを指している。

解説と考察

この注の部分は、道徳や哲学的な深さを持つ言葉であり、無為自然の生き方を推奨しています。『外』や『寂漠』という言葉からも、人間関係における疎遠さや物質的な栄華からの解放を意味し、精神的な平穏を大切にする姿勢が見て取れます。

また、身体的な状態や人生における選択についても触れられており、無理をせず、自分にとって楽しくないことを避けるべきだというメッセージが込められています。道の極みが死に至るという視点からも、人生の終わり方を慎重に考えるべきだという教訓が含まれていると解釈できます。

まとめ

『文選第43巻與山巨源絕交書』の注は、無為自然の生活を推奨し、精神的な安定を重視する内容です。また、自己の人生の選択においても、自分が心地よくないことは避けるべきだという重要な教訓が含まれています。

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