信頼区間を求める際に、母標準偏差が未知であり、標本の大きさが大きい場合にどのように推定を行うかは統計学において重要な課題です。本記事では、母平均の推定に使用する「S = √(1/n Σ(Xi – Xバー)^2)」の公式を使って、標本データから推定値を算出する方法について説明します。
1. 信頼区間とは?
信頼区間とは、推定されたパラメータ(例えば母平均)がどれだけの範囲に収まるかを示す区間です。信頼区間を求めることで、母集団のパラメータに対する不確実性を定量的に示すことができます。
特に、母標準偏差が未知で標本の大きさが小さい場合、標本標準偏差を使用して信頼区間を推定する必要があります。この際、標本標準偏差Sを使った推定が重要なステップとなります。
2. 推定に使用する公式
質問にあるように、推定のためには次の式を使用します。
S = √(1/n Σ(Xi – Xバー)^2)
ここで、Xiは各標本値、Xバーは標本平均、nは標本の大きさを示します。この公式により、標本のばらつきを測定し、その情報をもとに母平均を推定することができます。
3. 実際の計算方法
質問に挙げられた標本データに基づいて、Sを計算してみましょう。データは以下の通りです。
X1 = 0, X2 = 0, X3 = 1, X4 = 0, X5 = 14, X6 = 30, X7 = 1, X8 = 19, X9 = 13, X10 = 0
まず、標本平均Xバーを計算します。
Xバー = (0 + 0 + 1 + 0 + 14 + 30 + 1 + 19 + 13 + 0) / 10 = 7.8
次に、Sを計算します。各Xi – Xバーを計算し、それを2乗して合計します。
Σ(Xi – Xバー)^2 = (0 – 7.8)^2 + (0 – 7.8)^2 + (1 – 7.8)^2 + (0 – 7.8)^2 + (14 – 7.8)^2 + (30 – 7.8)^2 + (1 – 7.8)^2 + (19 – 7.8)^2 + (13 – 7.8)^2 + (0 – 7.8)^2
Σ(Xi – Xバー)^2 = 60.84 + 60.84 + 46.44 + 60.84 + 39.04 + 484.64 + 46.44 + 124.84 + 26.44 + 60.84 = 1015.80
最後にSを計算します。
S = √(1015.80 / 10) = √101.58 ≈ 10.08
4. 信頼区間を求める
信頼区間を求めるには、Sを使って、特定の信頼水準に基づいた区間を計算します。通常、母平均の95%信頼区間を求める際は、t分布を用います。ここでは、t分布を使って信頼区間を計算する方法について簡単に説明します。
計算式は以下の通りです。
信頼区間 = Xバー ± (t値 × (S / √n))
ここで、t値は自由度(n-1)に基づくt分布の値です。標本が大きい場合は、z分布を使って近似することもあります。
5. まとめ
今回の問題では、標本データを使って標本平均と標本標準偏差Sを計算し、信頼区間を求める方法を学びました。標本の大きさが10であれば、この方法を用いることで、母平均の推定と信頼区間の計算が可能です。実際の計算は、t分布を用いて具体的な信頼区間を求める必要がありますが、基本的な計算方法は以上の通りです。
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