動力幹線の配線遮断器選定は、適切な電力供給を確保するために非常に重要です。特に、内線規定に基づく遮断器の選定や、動力盤主幹の容量に関する疑問は、電気設備の設計や運用においてよく見受けられます。この記事では、動力幹線の遮断器選定における主要なポイントを解説し、内線規定を正しく理解するためのヒントを提供します。
内線規定と配線遮断器の容量
内線規定では、電気設備の配線に関する基準が定められています。特に動力幹線の配線遮断器については、電動機の容量に応じて適切な遮断器容量を選定する必要があります。規定に記載されている配線遮断器容量は、一般的に「AF」または「AT」の値で示されていますが、それぞれの意味を理解しておくことが重要です。
「AF」と「AT」は、電流の定格容量を示すものであり、どちらも配線遮断器の選定に影響を与える要素です。選定時には、これらの違いを理解し、適切な容量の遮断器を選ぶことが求められます。
AFとATの違いとその選定基準
「AF」は、定格電流を基にした配線遮断器の容量を示しており、主に商業用の大きな動力機器に適用されます。一方で、「AT」は、遮断器が短絡や過負荷に対して反応するまでの遅延時間を含む設計基準です。
このため、動力幹線の選定時に「AF」または「AT」をどちらを使用するかは、機器の使用状況や負荷の特性によって異なります。例えば、直入れ始動のような急激な起動電流が発生する場合には、ATタイプの遮断器が適切です。
例としての動力盤主幹の選定
たとえば、総和8.2kWで直入れ始動の最大が5.5kWのケースを考えた場合、適切な遮断器の容量を選定する際には、AFとATのどちらを使うかを決定するために、使用電流を基に計算を行う必要があります。
この場合、最大使用電流が40Aとされる場合、AT容量を基に選定を行うことが一般的です。しかし、最終的な選定は実際の使用条件や規定に従って判断するべきです。
ケーブルの太さと電圧降下の確認
ケーブルの選定においても重要なのは、電圧降下の確認です。電力供給の効率を保つためには、使用するケーブルの太さが適切であることが求められます。たとえば、14sqのケーブルから始めて、電圧降下を考慮しながら適切な太さに調整していくことが一般的です。
電圧降下の計算は、長距離で電力を供給する場合に特に重要となり、過剰な電圧降下を避けるために、ケーブルの太さを適切に選定することが必要です。これにより、電力損失を最小限に抑え、設備の安定性を確保することができます。
まとめ:遮断器選定とケーブル選定のポイント
動力幹線の配線遮断器選定において、内線規定を正しく理解することが重要です。AFとATの違いを理解し、使用条件に応じて適切な容量の遮断器を選ぶことが求められます。また、ケーブルの選定では、電圧降下を考慮して最適な太さを選び、安定した電力供給を確保することが大切です。適切な遮断器とケーブルの選定は、設備の安全性と効率を高めるために欠かせない要素です。
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