集合の要素の個数を求める問題は、特に集合の重複部分を考慮する必要がある場合に複雑に感じることがあります。この記事では、高校数学でよく出てくる集合の問題、特にバスまたは電車を利用する生徒の人数を求める問題の解法について解説します。
問題の理解:集合とその要素の個数
この問題では、バスを利用する生徒と電車を利用する生徒がどれくらい重複しているのかを考慮する必要があります。まず、バスを利用する生徒の集合をA、電車を利用する生徒の集合をBとし、集合Aの要素の個数はn(A)、集合Bの要素の個数はn(B)で表します。
ここでのポイントは、バスと電車の両方を利用する生徒が5人いるという点です。この「両方とも利用する生徒」は、重複してカウントされるため、その重複部分を引く必要があります。
集合の和と交差の考え方
集合AとBの和(A∪B)は、AまたはB、あるいはその両方を満たす要素の個数です。具体的には、次の式で表されます。
n(A∪B) = n(A) + n(B) – n(A∩B)
ここで、n(A∩B)は、バスと電車の両方を利用する生徒の人数を示しています。このように、重複部分を引くことによって、バスまたは電車を利用する生徒の人数を正確に求めることができます。
問題の解法:実際の計算
与えられた情報をもとに、実際に計算してみましょう。
- バスを利用する生徒の人数n(A) = 10人
- 電車を利用する生徒の人数n(B) = 15人
- バスと電車両方を利用する生徒の人数n(A∩B) = 5人
この情報を上記の式に代入すると、次のようになります。
n(A∪B) = n(A) + n(B) – n(A∩B) = 10 + 15 – 5 = 20
したがって、バスまたは電車を利用する生徒の人数は20人となります。
なぜ重複部分を引く必要があるのか
重複部分を引く理由は、同じ生徒がバスも電車も利用する場合、その生徒を2回カウントしないようにするためです。もし重複部分を引かなければ、バスと電車を両方利用する生徒が2回数えられてしまい、人数が過大評価されてしまいます。
実際の計算では、この重複をしっかりと引くことで、正確な人数を求めることができます。
集合の文章題を解くコツ
集合の文章題を解く際のコツは、問題文を正確に理解し、与えられた情報を整理することです。特に、「両方を含む要素」や「重複を避ける」ことに注意を払いながら、式を組み立てていきましょう。また、集合の演算(和、積、補集合など)のルールをしっかりと覚えておくことが重要です。
問題文を読んで、どの情報が重複しているのか、どの部分が直接足し算できるのかを考えることが、数学的な問題を解く上での鍵となります。
まとめ
集合の問題では、与えられた情報を適切に整理し、集合の演算を駆使することで正確な解を得ることができます。この問題では、バスと電車の両方を利用する生徒の人数を重複として引くことにより、バスまたは電車を利用する生徒の正しい人数を求めることができました。数学の文章題は、正しい読み取りと適切な計算が求められるため、問題を慎重に分析することが大切です。
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