数学の問題でよく出てくるユークリッドの互除法を使った最大公約数の求め方。この方法に関しては、特に「A = BQ – R」の形での式の変形に関して混乱することがあります。ここでは、この式に関連する証明と納得のための解説を行います。特に、AとBの最大公約数がBとRの最大公約数に等しい理由を詳しく説明します。
ユークリッドの互除法とは?
ユークリッドの互除法は、二つの整数の最大公約数を求めるための古典的なアルゴリズムです。基本的な考え方は、二つの数の差を取り、徐々にその差が小さくなっていくことで最終的に最大公約数を見つけるというものです。
まず、二つの数AとBが与えられたとき、AをBで割り、余りRを求めます。このとき、A = BQ – Rという形に表されます。ここで、Qは商、Rは余りです。次に、このRとBについて同じ操作を繰り返し、最終的に余りが0になった時点で、最後に余りが0でない数が最大公約数となります。
A = BQ – R と (A, B) = (B, R) の関係
質問者が疑問に感じているのは、式A = BQ – Rの時に、(A, B)と(B, R)の最大公約数が等しいという点です。この点について納得できるように説明します。
実は、この関係はユークリッドの互除法における重要な性質です。まず、A = BQ – Rという形を考えたとき、AとBの最大公約数はAとRの最大公約数と等しくなります。この理由は、AとBの最大公約数をdとした場合、dはAとBの両方を割り切る数です。しかし、A = BQ – Rの式からRもdで割り切れるため、(A, B) = (B, R)となるのです。
具体的な例で確認
例えば、A = 56、B = 15の時にユークリッドの互除法を適用してみましょう。
まず、56 ÷ 15を計算すると、商は3、余りは11となります。したがって、56 = 15 × 3 – 11となります。
次に、15と11の最大公約数を求めるために同様の手順を繰り返します。
15 ÷ 11 = 商1、余りは4となり、15 = 11 × 1 – 4となります。
さらに、11と4の最大公約数を求めます。
11 ÷ 4 = 商2、余りは3となり、11 = 4 × 2 – 3となります。
次に、4と3の最大公約数を求めます。
4 ÷ 3 = 商1、余りは1となり、4 = 3 × 1 – 1となります。
最後に、3と1の最大公約数は1であるため、56と15の最大公約数は1であることがわかります。
計算の途中に現れる式の重要性
重要なのは、各ステップで得られる余りRを使って、最大公約数が次々と計算できる点です。最初に(A, B)の最大公約数が求まると、その後の計算で(B, R)の最大公約数が求められるため、最終的に(A, B)と(B, R)の最大公約数が等しくなるのです。
この過程を繰り返すことで、最終的に最小の余りが0となった時点で最大公約数が得られます。
まとめ
ユークリッドの互除法における「A = BQ – R」の式を使って、(A, B) = (B, R)であることを納得するためには、まずこの式が示す関係をしっかり理解することが重要です。実際に計算を進める中で、AとBの最大公約数がBとRの最大公約数に等しくなることが確認できるため、自然とこの性質を納得することができるでしょう。
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