この問題では、f”(x)が連続であり、f”(a)≠0のときに、f(a+h)=f(a)+hf'(a+θh), 0<θ<1 という式におけるθの値について、特にlimθ=1/2 (h→0)となることを証明する方法を解説します。
問題の整理と式の理解
まず、与えられた式は以下の通りです。
f(a+h) = f(a) + h * f'(a + θh)
ここで、0 < θ < 1 という条件があります。さらに、f''(x)が連続であり、f''(a)≠0であることが与えられています。問題は、hが0に近づくとき、θが1/2に収束することを示すことです。
テイラー展開を用いたアプローチ
この問題を解くためには、テイラー展開を用いて関数f(x)を展開する方法が有効です。f(x)が十分な回数微分可能であると仮定すると、f(a+h)のテイラー展開は次のようになります。
f(a+h) = f(a) + h * f'(a) + (h^2 / 2) * f”(a) + O(h^3)
ここで、O(h^3)はhの3乗以上の項を示しています。この式を元に、f(a+h)とf(a)の差を見ていきます。
θの役割と式の変形
問題にある式 f(a+h) = f(a) + h * f'(a + θh) について、f'(a + θh)をテイラー展開します。まず、f'(a + θh)をa周りで展開すると。
f'(a + θh) = f'(a) + θh * f”(a) + O(h^2)
これを元の式に代入すると、次のようになります。
f(a+h) = f(a) + h * (f'(a) + θh * f”(a) + O(h^2))
これを整理すると。
f(a+h) = f(a) + h * f'(a) + θh^2 * f”(a) + O(h^3)
ここで、hが0に近づくときの挙動を考えると、θがどのように収束するかを調べることができます。
θが1/2に収束する理由
先ほどの式と、テイラー展開で得られた式を比較します。実際には、θが1/2に収束することを確認するためには、hが十分に小さい場合に、θが1/2であれば、O(h^3)の項が無視できることを示すことが必要です。
具体的には、θ = 1/2が成り立つとき、f(a+h)とf(a)の差が一致し、各項が適切にキャンセルされるため、limθ=1/2 (h→0)が成立します。
まとめ:証明の流れ
この問題を解くためには、テイラー展開を用いてf(a+h)を展開し、f'(a+θh)を展開することが鍵となります。最終的に、θが1/2に収束することを確認するためには、hが0に近づくときにθが1/2である必要があることが示されます。
このように、テイラー展開と極限の性質を利用することで、問題を解くことができます。数Ⅲの極限の問題においても、展開と収束の概念をしっかりと理解することが重要です。
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