P波とS波から地震発生時刻を求める方法 – 例題と解き方の解説

地学

地震の発生時刻を求める問題は、地震波の伝わり方に関する基本的な理解が必要です。P波(初期波)とS波(後続波)を用いて、地震発生時刻を計算する方法を学ぶことは、地震学において非常に重要です。この記事では、P波とS波を使った地震発生時刻の求め方を例題とともに解説します。

P波とS波の違いと特徴

P波とS波は地震波の種類の中でも最も基本的なものです。P波は「縦波」とも呼ばれ、最初に地震計に到達する波です。P波は粒子が進行方向に対して縦に振動するため、速い速度で伝わります。一方、S波は「横波」とも呼ばれ、P波に次いで伝わる波で、粒子が進行方向に対して横に振動します。S波はP波よりも遅く伝わります。

この違いにより、地震計でP波とS波の到達時間の差を利用して、地震の発生地点と時間を推定することができます。

地震発生時刻を求める方法

地震発生時刻を求めるには、P波とS波の伝播速度と、それぞれが地震計に到達するまでの時間差を利用します。一般的な方法は、次の手順に従います。

  • 地震計に到達したP波とS波の到達時間を記録する。
  • P波とS波の伝播速度の差を使い、距離を求める。
  • 求めた距離から発生時刻を推定する。

次に、実際の計算方法を例題を通じて見ていきます。

例題:P波とS波から地震発生時刻を計算する

問題:ある地震計で、P波が到達した時間は12:05:30、S波が到達した時間は12:06:30だったとします。P波の速度は6km/s、S波の速度は4km/sだとすると、地震の発生時刻は何時何分何秒になるでしょうか?

解き方。

  1. まず、P波とS波の到達時間差を求めます。S波が到達するまで1分(60秒)かかっています。
  2. 次に、P波とS波の速度の差を利用して、P波からS波までの間に進んだ距離を計算します。P波とS波の速度差は6km/s – 4km/s = 2km/sです。この差で60秒間に進む距離は、2km/s × 60秒 = 120kmです。
  3. 120kmがP波からS波の到達時間差によって進んだ距離です。この距離を使って地震の発生地点から地震計までの距離を求めます。
  4. 最後に、地震計から地震発生地点までの距離とP波の速度を使い、発生時刻を求めます。距離120kmをP波の速度6km/sで割ると、発生から地震計までの時間が20秒であることが分かります。
  5. したがって、地震発生時刻は12:05:30(P波の到達時刻)から20秒前、すなわち12:05:10となります。

まとめ

P波とS波を使って地震の発生時刻を求めるためには、両波の到達時間の差とその速度の差を基に計算を行います。このような計算は、地震学における基本的な技術であり、地震の発生時刻や震源の位置を推定する際に非常に役立ちます。

実際に問題を解く際には、P波とS波の伝播速度や到達時間を正確に把握し、距離や時間を正しく計算することが重要です。これにより、地震発生時刻を効率的に求めることができます。

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