不定積分の問題で、積分計算にどのようなアプローチを取るかはとても重要です。特に、複雑な分数の積分を解く際、因数分解や部分分数分解をどう使うかについて迷うことがあります。今回は、∫x/(1-x^2)dxという問題における部分分数分解の手法を解説し、このアプローチが適切かどうかを考えていきます。
不定積分の基本的なアプローチ
不定積分を解く際、まずは積分対象の式を簡単にする方法を考えます。式が複雑な場合、因数分解や部分分数分解、置換積分などのテクニックを使うことが一般的です。
特に分数の積分では、分母の因数分解を行うことで、式を部分分数に分け、簡単な積分問題に変えることがよくあります。これにより、計算が楽になることが多いです。
∫x/(1-x^2)dxの因数分解と部分分数分解
問題の式である∫x/(1-x^2)dxに注目してみましょう。分母の1-x^2は因数分解が可能で、次のように分解できます。
1 – x^2 = (1 + x)(1 – x)
これにより、積分式は次のように書き換えられます。
∫x/(1-x^2)dx = ∫x/[(1+x)(1-x)]dx
次に、これを部分分数分解を用いて分けていきます。部分分数分解は、次のように式を分ける方法です。
x/[(1+x)(1-x)] = A/(1+x) + B/(1-x)
ここでAとBを求めることで、積分を行いやすくします。
部分分数分解を実行してみよう
部分分数分解では、まず次の式を設定します。
x/[(1+x)(1-x)] = A/(1+x) + B/(1-x)
両辺に(1+x)(1-x)を掛けて、次のような式を得ます。
x = A(1 – x) + B(1 + x)
これを展開して、xの係数を合わせてAとBを求めることができます。計算の結果、A = 1/2, B = -1/2となります。
最終的な積分の計算
AとBが求まったので、元の積分を次のように分けて計算できます。
∫x/[(1+x)(1-x)]dx = (1/2)∫1/(1+x)dx – (1/2)∫1/(1-x)dx
これらはそれぞれ標準的な積分であり、簡単に解けます。積分を実行すると、次のような結果が得られます。
(1/2)ln|1+x| – (1/2)ln|1-x| + C
因数分解と部分分数分解は適切か?
さて、最初の質問に戻ります。因数分解して部分分数分解を行うアプローチは、数学的には全く問題ありません。この方法を使うことで、積分が簡単になり、正しい答えを導くことができます。
実際、部分分数分解は、分母が2次式で因数分解できる場合に非常に有効な手法です。このため、質問者が行った方法は「悪手」ではなく、むしろ一般的で効率的な方法です。
まとめ:積分を解くための手法と注意点
不定積分を解く際には、因数分解や部分分数分解といった手法を適切に活用することが重要です。今回の問題のように、積分式を部分分数に分けることで計算が大幅に簡単になります。
さらに、部分分数分解を行う際には、AとBの値を正しく求めることが重要です。このテクニックを使いこなすことで、さまざまな積分問題に対応できるようになります。
最終的に、質問者の方法は正当なものであり、積分の学習を進める上で有効なアプローチです。積分の技法を学ぶ際には、さまざまな方法を試して、最適な解法を身につけましょう。
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