古文の助動詞「す」と「さす」は、現代日本語の感覚では使い分けが難しい場合があります。特に「させたまいぬ」のような例文では、その意味の違いを理解するのに苦労することもあるでしょう。本記事では、この2つの助動詞の使い方の違いと識別方法を詳しく解説します。
1. 助動詞「す」と「さす」の基本的な意味
古文において「す」と「さす」はどちらも動詞に続いて、動作や状態の変化を表す助動詞ですが、それぞれの使い方に違いがあります。
「す」は主に使役を表す助動詞で、他の人に何かをさせる意味で使われます。例えば、「この仕事をさせる」のように他者に行動を強いる場合に使います。
一方で「さす」は、尊敬の意味を持つ助動詞で、相手の行動に対して敬意を示すために使います。例えば、「先生にお話しさせる」のように、尊敬を表す動詞として使用されます。
2. 「夜深く出てさせたまいぬ」の「させ」の識別
質問に挙げられた「夜深く出てさせたまいぬ」という文では、「させ」が使われていますが、これは使役ではなく尊敬の助動詞です。この場合、登場人物が「出てさせたまいぬ」と述べることによって、何らかの敬意を込めた行動が表現されています。
文の文脈を見ていくと、「させ」の前には「たまいぬ」という表現が続いており、これは尊敬の意味を強調しています。この場合、「させ」は相手に何かを行わせる尊敬の意味で使用されているのです。
3. 助動詞「す」と「さす」の使い分けのコツ
「す」と「さす」の使い分けのコツとしては、動作の方向とその対象を意識することが重要です。「す」は使役、つまり他者に何かをさせる場合に使われ、「さす」は尊敬、つまり相手に敬意を払う場合に使います。
具体的には、動作を行う人が敬意を持たれている場合、「さす」を使うようにしましょう。反対に、動作が強制される場合や命じられる場合には「す」を使用します。
4. まとめ
「す」と「さす」の助動詞の違いを理解することは、古文を読み解く上で重要なポイントです。使役を表す「す」と尊敬を表す「さす」を区別することで、文脈に応じた正しい解釈が可能になります。「させたまいぬ」のような表現では、動作に対する敬意が込められているため、尊敬の「さす」を使うことが適切です。
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