朝の月が濃いオレンジ色で大きく見える理由

天気、天文、宇宙

2025.01.28

朝の空に浮かぶ大きくて濃いオレンジ色の月を見たことがある方も多いでしょう。この現象には、実は月の位置や大気の影響が関係しています。この記事では、その原因について詳しく説明します。

1. 月が大きく見える理由：月の錯視

月が通常よりも大きく見える現象は、「月の錯視」と呼ばれます。これは、月が地平線近くにあるときに、人間の目が月を他の物体と比較することで、実際よりも大きく見える現象です。月が高い空にあるときよりも、地平線に近い時の方が目に大きく映るため、錯覚として月が膨らんで見えます。

この錯視は、月が空の広さを埋めるため、周りの建物や地形と比較してその大きさが強調されるからです。このため、特に朝や夕方に見る月は非常に大きく感じられます。

月がオレンジ色に見える主な理由は、大気中の光の散乱です。朝や夕方は太陽光が大気を通る時間が長くなるため、光の波長が短い青や緑が散乱し、赤やオレンジの波長が残りやすくなります。この現象は、日の出や日没時に太陽が赤く見えるのと同じ理由です。

月も同様に、この時間帯に地平線に近い位置にあると、大気を通過する際にオレンジ色や赤色に変化します。特に、朝の冷たい空気と暖かい空気の境界付近でこの現象は顕著に見られます。

月の色や大きさが変わるのは、月の位置と時間帯によるものです。月が地平線に近い位置にあるとき、光が大気を通過する時間が長いため、上記のように色が変わり、月が大きく見えることが多いです。朝7時に見た月は、ちょうどその時間帯に地平線に近い位置にあったため、特にこの効果が強く感じられたのでしょう。

昼間や夜間に月が高い位置にあると、光が大気をあまり通らないため、色が青白く見えることが多く、錯視による大きさも感じにくくなります。

朝に見た月が大きくオレンジ色に見えるのは、大気の影響と月の錯視によるものです。地平線近くにある月は、視覚的に膨らんで見え、さらに大気中で光が散乱されるため、オレンジ色に見えるのです。これらの現象は自然界の美しい仕組みの一部であり、月を観察する際の不思議な楽しみの一つでもあります。