複素数の絶対値と偏角の求め方:問題の解説

高校数学

複素数の絶対値と偏角を求める問題について、具体的な例をもとに解説します。以下に挙げた三つの複素数の絶対値と偏角を計算していきましょう。

1. 複素数 z = (√3 + i)^3 の絶対値と偏角

まずは、複素数 z = (√3 + i)^3 の絶対値と偏角を求めます。

複素数の絶対値は、直交座標 (x, y) における点 (x, y) から原点 (0, 0) への距離を表し、次のように求められます。

|z| = √(x² + y²)

ここで z = (√3 + i) とすると、絶対値は。

|z| = √(√3² + 1²) = √(3 + 1) = √4 = 2

次に偏角 θ は、以下の公式で求めます。

θ = tan⁻¹(y / x)

θ = tan⁻¹(1 / √3) = π / 6

したがって、z = (√3 + i)^3 の絶対値は 2³ = 8、偏角は 3 × π / 6 = π / 2 となります。

2. 複素数 z = √2 / (1 + i) の絶対値と偏角

次に、z = √2 / (1 + i) の絶対値と偏角を求めます。

複素数の絶対値を求める際、分母に複素数が含まれている場合、共役複素数を掛けることで分母を実数化します。

z = √2 / (1 + i) において、共役複素数は (1 – i) です。したがって、z を次のように変形します。

z = √2 / (1 + i) × (1 – i) / (1 – i) = √2(1 – i) / ((1 + i)(1 – i))

分母は。

(1 + i)(1 – i) = 1² – i² = 1 + 1 = 2

したがって、z は。

z = √2(1 – i) / 2 = (√2 / 2) – (√2 / 2)i

この複素数の絶対値は。

|z| = √((√2 / 2)² + (√2 / 2)²) = √(1 / 2 + 1 / 2) = √1 = 1

偏角 θ は。

θ = tan⁻¹((-√2 / 2) / (√2 / 2)) = tan⁻¹(-1) = -π / 4

3. 複素数 z = (1 – √3i) / i の絶対値と偏角

最後に、z = (1 – √3i) / i の絶対値と偏角を求めます。

z を次のように変形します。

z = (1 – √3i) / i = (1 / i) – (√3i / i)

ここで 1 / i = -i、√3i / i = √3 なので。

z = -i – √3

したがって、この複素数の絶対値は。

|z| = √((-√3)² + (-1)²) = √(3 + 1) = √4 = 2

偏角 θ は。

θ = tan⁻¹(-1 / -√3) = tan⁻¹(1 / √3) = π / 6

まとめ

これで、各複素数の絶対値と偏角が求められました。計算の過程を一つずつ丁寧に確認することで、複素数の問題も理解しやすくなります。

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