期待値や確率分布を求める問題は、確率論の基礎的な概念を理解するために重要です。今回は、コイン投げやカードの取り出しに関する問題を通して、期待値の求め方と確率分布の計算方法を解説します。
問1: コインを2枚同時に投げる試行の確率分布
まずは、コインを2枚同時に投げる試行を3回繰り返すという問題です。このとき、2枚のコインのうち少なくとも1枚が表になる回数をXとします。Xの確率分布を求めるために、まずコインを1回投げた際の結果を考えます。
コイン2枚のうち、少なくとも1枚が表になる場合は以下のようになります:
- 表、表
- 表、裏
- 裏、表
これらは3通りであり、確率は1/2となります。したがって、Xの確率分布は、0回から3回までの間で定義できます。
問1の(1): Xの確率分布を求める
次に、Xの確率分布を求めます。Xの取り得る値は0, 1, 2, 3で、それぞれに対応する確率を計算します。
コインを1回投げる際に、少なくとも1枚表が出る確率は1/2です。この確率を基に、Xの確率分布を求めます。具体的な計算方法を示すと:
f(X = 0) = (1/2)^3 = 1/8, f(X = 1) = 3(1/2)^3 = 3/8, f(X = 2) = (1/2)^3 = 1/8, f(X = 3) = (1/2)^3 = 1/8
問1の(2): Xの期待値E(X)を求める
次に、Xの期待値を求めます。期待値は、確率分布に基づいて、次のように計算できます。
E(X) = Σ(X * P(X))
ここで、Xは確率変数、P(X)はその確率です。この式に値を代入して計算すると:
E(X) = (0 * 1/8) + (1 * 3/8) + (2 * 1/8) + (3 * 1/8) = 1.25
問2: 1から5までのカードから取り出した2枚の数に関する問題
次に、1から5までの整数が書かれたカードを2枚取り出す問題です。このとき、2つのカードのうち大きい方をXとし、その期待値E(X)を求めます。
まず、全ての取り出しの組み合わせを考え、その中で大きい方の数を求めます。取り出せる組み合わせは、(1,2), (1,3), (1,4), (1,5), (2,3), (2,4), (2,5), (3,4), (3,5), (4,5)です。各組み合わせにおける大きい方の数をXとしてリストアップします。
問2の(1): Xの期待値E(X)を求める
Xの期待値は、次のように計算できます:
E(X) = Σ(X * P(X))
各組み合わせの大きい方をリストアップし、確率分布を求めて期待値を計算します。詳細な計算は以下の通りです:
E(X) = (2 * 1/10) + (3 * 2/10) + (4 * 3/10) + (5 * 4/10) = 3.8
問2の(2): XとYの差の期待値E(Y)を求める
次に、2つのカードの大きい方と小さい方の差をYとした場合、その期待値E(Y)を求めます。Yの取り得る値は1, 2, 3, 4であり、それぞれの確率を基にE(Y)を計算します。
計算方法は、各組み合わせで大きい方から小さい方を引いた値を求め、その平均を求める方法です。
E(Y) = (1 * 2/10) + (2 * 4/10) + (3 * 2/10) = 2.2
まとめ: 期待値の計算方法と確率分布
今回は、コイン投げやカードの取り出しに関する問題を通して、期待値の計算方法と確率分布の求め方を学びました。期待値は、確率論で非常に重要な概念であり、確率分布と組み合わせて問題を解くことで、より深い理解が得られます。
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