電気の点検業務において、停電点検を実施し、接地抵抗測定を行った結果、前回の3Ωから80Ωに変動した場合、その原因を特定することが重要です。接地抵抗が大きく変動する原因について解説し、どのような点を確認すべきかを見ていきます。
接地抵抗の測定とは?
接地抵抗は、電気設備が地面に接続されている部分の抵抗値を示します。適切な接地は電気設備の安全性を確保するために必要不可欠であり、通常、接地抵抗値は低い方が良いとされています。接地抵抗が高すぎると、漏電や電気ショックなどのリスクが高まるため、定期的な測定が行われています。
接地抵抗が変動する原因
接地抵抗が前回の測定から大きく変動した場合、いくつかの原因が考えられます。80Ωという値は通常の測定範囲を大きく超えており、何らかの障害が発生している可能性があります。以下のような原因が考えられます。
- 接地端子の腐食や劣化:接地端子や接続部品が錆びていたり腐食していると、接地抵抗が増加することがあります。
- 接地線の断線や緩み:接地線が外れたり緩んだりすることによって、接地経路が不完全になる場合、抵抗が増加することがあります。
- 周囲の湿度や土壌条件の変化:湿度が低くなると接地抵抗が増えることがあります。土壌が乾燥している、あるいは土壌の性質が変わった場合にも影響を受けることがあります。
- 測定機器の不具合:測定機器自体の故障や誤動作によって、誤った値が表示されることもあります。機器の校正や接続確認が必要です。
異常値の確認と対応策
接地抵抗が異常に高くなった場合、まずは機器の確認を行い、その後、接地端子や接地線の状態を再チェックすることが必要です。接地端子が腐食している場合は、清掃や交換が必要です。また、接地線が断線している場合は、適切に再接続を行い、必要であれば新しい線に交換しましょう。
湿度や土壌の影響が考えられる場合は、周囲の環境を確認し、適切な対策(例えば、湿度管理や土壌改良)を講じることが必要です。
まとめ
接地抵抗測定で異常値が出た場合、まずは測定機器のチェックを行い、その後、接地端子や接地線の劣化や断線を確認することが重要です。外的要因(湿度や土壌条件など)の影響も考慮し、必要な修正作業を実施しましょう。適切な対応を行うことで、電気設備の安全性を確保できます。
コメント