水素原子の電子状態について、2sおよび2p軌道のエネルギーを求める方法について解説します。これらのエネルギーは、シュレディンガー方程式を基に計算できます。以下では、具体的な式を立てて解説します。
水素原子のシュレディンガー方程式
水素原子のシュレディンガー方程式は、次のように表されます。
- (ħ² / 2m) ∇²ψ + V(r)ψ = Eψ
ここで、ħはディラック定数、mは電子の質量、∇²はラプラス演算子、V(r)はポテンシャルエネルギー(この場合、水素原子のクーロンポテンシャル)、ψは波動関数、Eはエネルギーです。
2s軌道のエネルギー計算
2s軌道はn = 2, l = 0であり、シュレディンガー方程式に基づきそのエネルギーは次のように計算されます。
E = - (13.6 eV) / n²
n = 2を代入すると、2s軌道のエネルギーは次のようになります。
E = - (13.6 eV) / 2² = - 3.4 eV
したがって、2s軌道のエネルギーは-3.4 eVです。
2p軌道のエネルギー計算
2p軌道はn = 2, l = 1であり、エネルギー計算式は2s軌道と同じです。水素原子では、lの値によってエネルギーが変化することはなく、2p軌道のエネルギーも同様に-3.4 eVです。したがって、2p軌道のエネルギーも-3.4 eVです。
まとめ
水素原子における2sおよび2pのエネルギーは、いずれも-3.4 eVであり、これらのエネルギーはシュレディンガー方程式に基づき、量子数nが決定することに起因します。電子軌道のエネルギーは主にnの値に依存しており、l(角運動量量子数)の影響を受けません。
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