2つの球の束 f+kg=0 が表す図形の意味と場合分け

高校数学

数学の立体図形や解析幾何で登場する「2つの球の束」とは、2つの球面 f=0, g=0 が交わっているときに、その2つをもとに作られる式 f+kg=0(kは実数)の表す図形をまとめたものです。ここでは、k=-1 の場合とそれ以外の場合にどのような図形になるのかを整理して解説します。

球の束とは何か

2つの球 f=0, g=0 が交わっているとき、それらの交線(共通部分)は円になります。式 f+kg=0 は f と g の線形結合であり、この式が0となる集合は、kの値によってさまざまな球面や場合によっては平面を表します。

このように「f と g を組み合わせてできる図形の集合」を球の束と呼びます。

k=-1のとき

特に k=-1 のとき、式は f-g=0 となります。これは f=g を意味し、両球面の差により、2つの球の共通部分を含む平面が得られます。つまり、共有点を含む平面を表す特別な場合です。

k=-1以外の場合

k=-1 以外では、基本的に f+kg=0 は「新しい球面」を表します。その球は、もとの2つの球 f=0, g=0 の交円を必ず通ります。つまり、球の束の任意のメンバーは、共通の交円を含む球面となります。

このとき、k の値によって球の大きさや中心が変わりますが、必ず f=0 と g=0 の交わり(円)を共有しているのが特徴です。

具体例を考えてみる

例えば、2つの球が空間内で交わっているとき、その交わりは円になります。この円を通る球面は無数に存在し、f+kg=0 という形で表されます。k を動かすと、円を通る異なる球面が次々と現れるわけです。

一方、k=-1 の場合だけは球面ではなく、その交円を含む平面に退化するという違いがあります。

まとめ

球の束 f+kg=0 の場合分けを整理すると以下のようになります。

  • k=-1 のとき:2つの球の交円を含む平面
  • k=-1 以外 のとき:交円を通る球面

このように、球の束は「2つの球が交わる円を通るすべての球と、その円を含む平面」を表現しているのです。

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