ラダー回路(ラダー論理)は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)や制御機器でよく使われる回路図で、工場の機械や設備の制御を行います。今回は、質問にあるラダー回路について解説し、その動作原理と設計方法を詳しく説明します。具体的には、センサ立ち上がり検出からウィンドウタイマ、OK判定、NG判定、リセット長押しまでの処理の流れを追いながら、どういった処理が行われるのかを見ていきましょう。
1. センサ立ち上がり検出(ワンショット)
最初に行うのは、センサが立ち上がるのを検出する部分です。ここでは、センサ入力「X0」をトリガーにして、M0というメモリビットに状態を保存します。この部分はワンショット処理として、センサが検出されると一度だけ動作します。
2. パルスカウントとウィンドウ開始
次に、M0の状態を使ってパルスカウントの処理が行われます。カウントされた値「C0」によって、M1がセットされ、ウィンドウタイマ(TON)が開始されます。このウィンドウタイマが2秒に設定されており、所定の時間内に必要なカウント数に達するかどうかを見ます。
3. OK判定(2パルス到達)
次に行われるのは、パルスが2回以上到達した場合のOK判定です。C0の値がK2(2パルス)以上になると、M2がセットされてOKと判定されます。
4. OK時のクリア処理
OK判定後には、各種クリア処理が行われます。M1、C0、T0、M3、M2などの状態をリセットして、次のサイクルの準備を整えます。この部分は一度だけONにされるように設計されています。
5. タイムアウトによるNG判定
もし、タイムアウトが発生した場合(T0タイマがONのままになった場合)は、C0がK2未満ならばM3がセットされ、NG(不合格)と判定されます。
6. NG時のブザー鳴動
NG判定が行われた場合、ブザーが鳴るようにY0がONされます。この部分は、判定がNGの場合に警告として機能します。
7. リセット長押し(3秒)
リセット処理は、X1の入力によって実行されます。T1タイマを使用して3秒間の長押しを検出し、リセット処理が行われます。
8. リセット長押し完了でNG解除
リセットが完了すると、M3、Y0、C0、T1などがリセットされ、次のサイクルに進む準備が整います。
9. 結論
質問にあるラダー回路は、センサの検出からパルスカウント、タイマ処理、OK判定、NG判定、リセット処理まで、複数のステップを経て動作します。これらの処理を通じて、製造ラインや機械の管理を自動化することが可能になります。ラダー回路は、特にプログラミング初心者にもわかりやすく、工業用自動化で非常に便利な技術です。
コメント