背理法とは?「否定が偽ならもとの命題は真」とはどういう意味か

高校数学

「否定が偽ならもとの命題は真」という論理は背理法に関連していますが、背理法自体はそれにとどまらない広範な手法です。この記事では、背理法の基本的な考え方とその使い方について詳しく解説します。

1. 背理法とは

背理法(反証法)とは、ある命題が真であることを証明する方法の一つです。背理法では、まずその命題が偽であると仮定し、そこから矛盾が生じることを示すことによって、元の命題が真であると結論します。言い換えれば、命題の否定が成り立たないことを証明することで、その命題の真実性を証明する方法です。

2. 否定が偽ならもとの命題は真

「否定が偽ならもとの命題は真」というのは、背理法を使った証明の結果の一つです。これを簡単に説明すると、もし命題Aの否定が間違っている(偽である)ならば、命題A自体は正しいということになります。例えば、命題Aが「すべてのカラスは黒い」であるならば、その否定は「少なくとも1羽のカラスが黒くない」であり、その否定が偽であるならば、「すべてのカラスは黒い」という命題が正しいと証明できます。

3. 背理法の実際の使い方

背理法を使うにはまず、証明したい命題の否定を仮定します。次に、その仮定から出発して矛盾を導きます。矛盾が生じた時、元々の仮定(命題の否定)が偽であることがわかり、したがって元の命題が真であることが証明されます。

背理法の一例として「平方根2が無理数であること」を証明する過程があります。仮定として「平方根2は有理数である」とした場合、計算を進めると矛盾が生じるため、「平方根2は無理数である」と結論できます。

4. 背理法の応用例

背理法は数学や論理学だけでなく、哲学やコンピュータサイエンスなど多くの分野で広く使われています。特に数学では、無限や無理数の証明、複雑な命題の証明などで背理法が非常に有効です。また、論理的に厳密な証明が求められる場面でも背理法は強力なツールとなります。

5. まとめ

「否定が偽ならもとの命題は真」という考え方は背理法に関連していますが、背理法はその一部に過ぎません。背理法は、ある命題が真であることを証明するためにその否定が偽であることを示す方法です。この証明法は多くの数学的な証明において重要な役割を果たします。

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