ゲーム機の修理やメンテナンスでよく目にするのが、基板の掃除に使用されるイソプロピルアルコールですが、なぜ無水アルコールではなく、イソプロピルアルコールが使われているのでしょうか?この記事では、イソプロピルアルコールが基板掃除に適している理由や、無水アルコールとの違いについて詳しく解説します。
イソプロピルアルコールの特徴と基板掃除における利点
イソプロピルアルコール(IPA)は、電子機器や基板の掃除において非常に人気のある溶剤です。その理由は、イソプロピルアルコールが比較的安全で、迅速に蒸発するため、基板に残留物を残しにくい点です。
IPAは水分を含んでいないため、基板の接続部分に水分が残る心配もなく、乾燥も速いです。また、電子部品を傷つけることなく、埃や汚れを除去できるため、修理作業に最適です。
無水アルコールとの違い
無水アルコールは純度が非常に高く、水分をほとんど含まないアルコールです。確かに、無水アルコールは溶解力が高い一方で、揮発性が非常に高く、取り扱いには注意が必要です。さらに、無水アルコールは湿気に敏感で、乾燥しにくい環境ではすぐに劣化してしまう可能性があります。
無水アルコールはアルコール度数が高いため、基板の洗浄に使うには少しリスクが伴います。一方、イソプロピルアルコールは、一定の水分を含んでいるため、過剰な乾燥や接点の損傷を避けることができ、電子機器の基板掃除にはより安全で適していると言えます。
イソプロピルアルコールを使用する際の注意点
イソプロピルアルコールを使用する際は、基板が完全に乾燥するまで触れないことが大切です。特に電源が入っている状態での作業は避けましょう。また、基板の掃除後は、完全に乾燥させる時間を設け、湿気が残らないようにしましょう。
また、使用するIPAの濃度も重要です。高濃度(99%)のものを使用するのが最適ですが、低濃度のもの(70%)でも十分に効果を発揮します。
まとめ
基板掃除においてイソプロピルアルコールを使用する理由は、その乾燥の速さや安全性、電子機器に対する優しさからです。無水アルコールよりも基板に適していると言われることが多いため、修理やメンテナンスで広く利用されています。適切に使用することで、基板の汚れを効果的に取り除き、機器を安全に保つことができます。
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