一級管工事施工管理試験の過去問で出題された換気量の計算問題に関する質問について、今回は「3.6」という数値がどのように導き出されるのかを詳しく解説します。この問題では、エレベーター機械室で発生する熱を換気によって排除するために必要な最小換気量を求める問題で、特に「3.6」の意味が理解できないという疑問が多く寄せられています。
問題の背景と公式
問題では、エレベーター機器の発熱量や許容温度、外気温度、空気の定圧比熱、空気の密度が与えられ、最小換気量を求める式が示されています。この計算式は、熱量の移動に基づいており、必要な換気量を求めるために、以下の公式を使用します。
換気量 = 熱量 / (比熱 × 密度 × 温度差)
なぜ「3.6」が必要なのか
質問で挙げられた「3.6」という数値は、換気量の単位を調整するために必要です。式の中で使われる値は、通常SI単位(メートル、秒、ジュールなど)で表されますが、換気量は立方メートル毎時(m³/h)で求められるのが一般的です。この単位変換を行うために、「3.6」という係数が使用されます。
具体的には、計算式における熱量はジュール(J)で表され、空気の定圧比熱や密度はSI単位に基づいています。しかし、1時間あたりの換気量を求めるために、時間の単位を秒から時間に変換するために「3.6」を掛ける必要があるのです。この「3.6」は、1時間が3600秒であり、その換算係数として使われる数値です。
計算の実例と3.6の使い方
具体的な計算を見てみましょう。問題で与えられた値は以下の通りです。
- エレベーター機器の発熱量:6 kW
- 空気の定圧比熱:1.0 kJ/(kg·K)
- 空気の密度:1.2 kg/m³
- 温度差:40℃ – 35℃ = 5℃
この値を使って、換気量を求めるために計算式を適用します。
換気量 = 3.6 × 6000 / (1.0 × 1.2 × 5) = 3600 m³/h
ここで「3.6」が重要な役割を果たしています。この数値は、ジュール(kJ)を立方メートル毎時(m³/h)に変換するために必要な係数です。
換気量の単位変換と3.6の意味
換気量の単位は通常m³/h(立方メートル毎時)で表されます。SI単位系で計算した結果がジュールや秒単位になるため、換気量を時間単位に合わせるために「3.6」を掛けて換算します。
このように、換気量を求める際には、計算過程で単位換算を行うために「3.6」が出てきます。これにより、最終的な換気量をm³/hの単位で求めることができるのです。
まとめ
一級管工事施工管理試験での換気量計算では、「3.6」は単位換算に必要な係数であることがわかります。計算式の中での役割は、秒単位で求められた熱量を時間単位に変換することです。この理解を深めることで、今後の試験問題や実務においても役立つ計算方法を習得することができます。
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