浸透圧の計算には、溶液のモル濃度、気体定数、温度などの要素が必要です。特に、硫酸アンモニウム(NH₄)₂SO₄のような電解質が完全に電離する場合、浸透圧はその電解質の化学的性質に基づいて計算する必要があります。この記事では、硫酸アンモニウム水溶液の浸透圧を求める方法について詳しく解説します。
浸透圧の基本的な計算式
浸透圧を求めるためには、次の式を使用します。
π = i × M × R × T
ここで、
π = 浸透圧(Pa)、i = 物質の解離係数(電解質が電離する数)、M = モル濃度(mol/L)、R = 気体定数(8.31 × 10³ Pa・L/K・mol)、T = 絶対温度(K)です。
浸透圧は、溶液における溶質粒子の数に依存しており、特に電解質の解離が重要な要素となります。硫酸アンモニウムの場合、完全に電離すると仮定して計算を行います。
硫酸アンモニウムの解離とモル濃度の計算
硫酸アンモニウム(NH₄)₂SO₄は水中で完全に電離します。つまり、1モルの硫酸アンモニウムは2モルのNH₄⁺イオンと1モルのSO₄²⁻イオンに分かれます。そのため、電解質の解離係数iは3となります。
問題では、0.264 gの硫酸アンモニウムを250 mLの水に溶かしており、この溶液のモル濃度は0.008 mol/Lと計算されています。このモル濃度を用いて、浸透圧を求める準備が整います。
浸透圧の計算
問題で与えられた値を浸透圧の式に代入すると、次のように計算します。
π = 3 × 0.008 mol/L × 8.31 × 10³ Pa・L/K・mol × 300 K
この計算を行うと、浸透圧は5.98 × 10⁴ Paとなります。ここでの「3」は、硫酸アンモニウムが完全に電離して3つのイオンを生成するため、解離係数iとして使われます。
問題の答えにおける「3」の意味
質問者が疑問に思っている「3」は、硫酸アンモニウムの解離係数(i)です。硫酸アンモニウムは水に溶けると、2つのNH₄⁺イオンと1つのSO₄²⁻イオンに分かれるため、解離係数iは3になります。この値を浸透圧の計算式に代入することで、正しい浸透圧を求めることができます。
まとめ: 硫酸アンモニウム水溶液の浸透圧
硫酸アンモニウム水溶液の浸透圧は、電解質が完全に電離することを前提に計算する必要があります。浸透圧の計算式において、「3」という値は、硫酸アンモニウムが電離して生じるイオンの数に相当します。この計算結果から、27℃での浸透圧が5.98 × 10⁴ Paであることがわかりました。
コメント