大学数学における集合論や幾何学では、集合の濃度(サイズ)を比較することが重要な概念です。特に、整数の集合Zと奇数の集合Zoddの濃度が等しいことを示す問題は、無限集合の性質を理解するための良い練習問題です。この記事では、この命題を証明する方法を解説します。
集合の濃度とは?
集合の濃度とは、集合に含まれる要素の「数」のことを指します。特に、無限集合の濃度については「可算無限集合」と「非可算無限集合」に分けて考えます。可算無限集合は、その要素を数えることができる(1対1対応を取ることができる)無限集合です。
整数の集合Zや自然数の集合Nは、可算無限集合の代表例です。これらの集合は無限に多くの要素を含んでいますが、その要素を1対1対応で並べることができます。
ZとZoddの1対1対応
ZとZoddの集合が同じ濃度を持つことを示すためには、これら2つの集合が「1対1対応」できることを示せば十分です。1対1対応とは、Zの各要素にZoddの唯一の要素を対応させることができるという意味です。
Zの要素はすべて整数であり、Zoddの要素は奇数です。ZとZoddの間に1対1対応を作る方法を見てみましょう。例えば、Zの整数に対して、次のような対応を定義できます。
f(n) = 2n + 1
ここで、nはZの任意の整数です。このように、整数nに対して、対応する奇数2n + 1を決めることで、ZとZoddの間に1対1対応を定義できます。
対応が成り立つことの確認
この対応関係が正しいことを確認するために、いくつかの例を見てみましょう。例えば、Zの要素1に対して、対応するZoddの要素は2(1) + 1 = 3です。同様に、Zの要素-1に対しては2(-1) + 1 = -1が対応します。このように、すべての整数に対して一意に奇数が対応していることがわかります。
さらに、この対応が一対一であることを確認するために、もし2つの異なる整数n1, n2についてf(n1) = f(n2)が成り立つとすると、2n1 + 1 = 2n2 + 1が成り立つことになり、n1 = n2となります。これにより、ZとZoddの間に一対一対応が確立されていることが証明されます。
まとめ
ZとZoddの濃度が等しいことは、Zの各整数に対して一意に対応するZoddの奇数が存在することを示すことで証明できました。これにより、整数の集合と奇数の集合は、無限であっても同じ濃度を持つ可算無限集合であることが確認できました。この証明は、無限集合の性質を理解するための重要な一歩です。
コメント