Ca(OH)2とH3PO4の中和反応の式について質問があります。この反応でCaHPO4+2H2Oが生成される理由について考える前に、まず中和反応の基本的なメカニズムと、生成物にどのような化学変化が起こるのかを理解することが重要です。
中和反応とは
中和反応は、酸と塩基が反応して水と塩を生成する反応です。この反応では、酸性の水素イオン（H⁺）と塩基性の水酸化物イオン（OH⁻）が結びついて水（H₂O）を作り、残りの部分が塩として生成されます。
Ca(OH)2とH3PO4の反応
Ca(OH)2（水酸化カルシウム）とH3PO4（リン酸）を反応させると、実際にどのような生成物が得られるのでしょうか？まず、Ca(OH)2は強塩基、H3PO4は三価の酸です。中和反応が進むと、1分子のCa(OH)2が2分子のH3PO4と反応し、CaHPO4（リン酸カルシウム）と水が生成されるはずです。しかし、この反応で「CaHPO4+2H2O」になることはない理由を見ていきましょう。
CaHPO4が生成される理由
実際には、Ca(OH)2とH3PO4の反応で生成されるのはCaHPO4です。リン酸は3価の酸ですが、Ca(OH)2が供給する水酸化物イオンは2つのH⁺と結びついて水を生成します。リン酸カルシウム（CaHPO4）は、酸と塩基の1:1の比率で生成されるため、2つの水分子ができるという反応は起こりません。
なぜ2つの水分子は生成されないのか
反応で水が1分子しか生成されないのは、リン酸の酸化状態と水酸化カルシウムの関係から来ています。リン酸は酸として3価であるため、Ca(OH)2が提供する水酸化物イオンは、リン酸分子の一部と結びついて水分子1つとCaHPO4を生成します。したがって、生成される水は1分子で、2分子の水が生成されることはありません。
まとめ
Ca(OH)2とH3PO4の中和反応で生成されるのはCaHPO4と水ですが、2分子の水は生成されません。リン酸と水酸化カルシウムの反応は、酸と塩基の1:1の比率で進行し、適切な化学式が得られます。この理解を深めるためには、化学反応のメカニズムや酸と塩基の性質についてしっかり学ぶことが重要です。
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