固有値に関連する固有空間の部分空間であることの証明

大学数学

線形代数において、行列の固有値とその固有空間は非常に重要な概念です。本記事では、あるR成分n×n行列Aの固有値α∈Rに対して、その固有空間WαがVの部分空間であることを示す方法について詳しく解説します。

1. 固有空間Wαの定義

まず、固有値α∈Rに対する固有空間Wαとは、次のように定義されます。

固有空間Wαは、行列Aの固有値αに対応する固有ベクトルの集合です。具体的には、Wαは以下の条件を満たすベクトルvの集合です。

  • A*v = α*v
  • v ≠ 0

つまり、固有空間は行列Aによってスカラーα倍されるベクトルの集合です。

2. 部分空間であることの確認

固有空間WαがVの部分空間であることを示すためには、以下の3つの条件を確認する必要があります。

  • Wαがゼロベクトルを含む
  • Wαが加法について閉じている
  • Wαがスカラー倍について閉じている

2.1. ゼロベクトルを含むことの証明

固有空間Wαにゼロベクトルが含まれることは自明です。なぜなら、A*0 = α*0が成り立ち、0ベクトルは常に固有ベクトルとして含まれます。

2.2. 加法について閉じていることの証明

次に、Wαが加法について閉じていることを証明します。もしv1とv2がWαに属する固有ベクトルであれば、次のように考えます。

A*(v1 + v2) = A*v1 + A*v2 = α*v1 + α*v2 = α*(v1 + v2)

したがって、v1 + v2もWαに属します。

2.3. スカラー倍について閉じていることの証明

最後に、Wαがスカラー倍について閉じていることを証明します。もしvがWαに属する固有ベクトルで、cが任意のスカラーであれば、次のように考えます。

A*(c*v) = c*A*v = c*α*v = α*(c*v)

したがって、c*vもWαに属します。

3. 結論

上記の証明により、固有値αに対応する固有空間Wαは、Vの部分空間であることが示されました。これにより、線形代数における固有空間の重要性とその性質を深く理解することができます。

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