複素解析:e^z = 1 – i を満たす z ∈ ℂ の解法

大学数学

この問題では、複素数 z に対して e^z = 1 – i を満たす z の値を求めるという問題です。解法の手順をわかりやすく解説します。

1. 複素数の指数関数 e^z

複素数 z = x + iy に対する指数関数 e^z は次のように表現できます。

e^z = e^(x + iy) = e^x * e^(iy)

ここで、e^(iy) はオイラーの公式を使って次のように表せます。

e^(iy) = cos(y) + i sin(y)

したがって、e^z は次のように表されます。

e^z = e^x (cos(y) + i sin(y))

2. 問題の式 e^z = 1 – i を使う

問題では、e^z = 1 – i と与えられています。この式を複素数の形に書き換えます。まず、1 – i を極形式に変換します。

1 – i の絶対値は |1 – i| = √(1^2 + (-1)^2) = √2 です。

また、偏角は θ = tan^(-1)(-1/1) = -π/4 です。したがって、1 – i を極形式で表すと。

1 – i = √2 (cos(-π/4) + i sin(-π/4))

3. 両辺を比較して解を求める

したがって、e^z = √2 (cos(-π/4) + i sin(-π/4)) とおくと、e^z の形は e^x (cos(y) + i sin(y)) です。

これらの比較により、次の2つの条件が得られます。

  • 絶対値:e^x = √2
  • 偏角:y = -π/4 + 2nπ (n は整数)

絶対値から x を求めると、e^x = √2 なので、x = ln(√2) = 1/2 ln(2) です。

また、偏角の条件から、y = -π/4 + 2nπ となります。

4. 結果として求まる z の値

したがって、z の解は次のように求められます。

z = 1/2 ln(2) + i(-π/4 + 2nπ) (n は整数)

これが与えられた式 e^z = 1 – i を満たす複素数 z の一般的な解となります。

5. まとめ

この問題では、複素数 z = x + iy に対する指数関数の定義とオイラーの公式を用いて、与えられた式 e^z = 1 – i の解を求めました。最終的な解は z = 1/2 ln(2) + i(-π/4 + 2nπ) となり、n は整数です。

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