無線機のVOX動作を安定させるための低周波信号の利用方法

工学

無線機のVOX(Voice Operated Exchange)機能を利用する際、送信と受信の切り替えをスムーズに行うための工夫が必要です。特に、無音状態が1秒以上続くと自動的に送受信が切り替わる問題に直面している方も多いでしょう。この記事では、VOX機能を安定させるために、低周波信号を利用して送受信切替の問題を解決する方法について解説します。

VOX機能とその問題点

VOXは音声によって自動的に送信と受信を切り替える機能ですが、音声が一時的に途切れると送受信の切り替えが行われます。このため、無音状態や背景ノイズなどが影響して、通信が安定しないことがあります。この問題を解決するためには、送信時に低周波信号を加えることでVOX機能が動作し続けるようにすることが考えられます。

低周波信号を使った解決法

低周波信号(例えば88.5Hzなど)を送信信号に追加することで、無音状態を回避することができます。これは、音声信号と同時に低周波信号を送ることにより、VOX機能を常に活性化させ、送受信の切り替えを防ぐ方法です。低周波信号は、トーンスケルチのような役割を果たし、無線機が送信を継続できるようにします。

具体的には、ハンドマイクからPTT(Push-To-Talk)スイッチに合わせて、低周波信号を送信する仕組みを作ります。この信号は、音声信号が途切れても送信を続けるため、安定した通信が可能になります。

適当な発信回路の設計方法

低周波信号を送信するための回路設計には、発振回路を使用します。例えば、シンプルなLC発振回路や、発振器ICを利用することで、88.5Hzのトーンを簡単に発生させることができます。これをハンドマイク内に組み込むことで、PTTを押すと低周波信号を送信できるようになります。

また、トーンの音量(音声レベル)の調整が必要です。過度に強い音声レベルは他の信号と干渉する可能性があるため、適切な調整が求められます。音量を調整するためには、簡単なボリュームコントロール回路を追加することができます。

小型機器の利用と電源供給

ハンドマイクに内蔵する発信回路には、電源が必要です。LR44などの小型ボタン電池を使用すれば、十分な電力を供給することができます。この方法では、ハンドマイク内での電源供給が可能となり、外部電源の必要がなく、コンパクトで持ち運びやすい機器を作成することができます。

ただし、バッテリーの寿命を考慮して、発振回路が長時間稼働しないように設計することも重要です。バッテリーを節約するためには、回路が送信していないときは低消費電力モードに移行する仕組みを導入すると良いでしょう。

まとめ

無線機のVOX機能の安定性を確保するために、低周波信号を送信する方法は非常に効果的です。トーンスケルチのように、ハンドマイクから低周波信号を送ることで、送受信切り替えの問題を回避できます。発信回路の設計には、シンプルな発振回路や小型のバッテリーを活用することで、コンパクトで効果的な解決策が得られます。

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