確率論での重要な問題の一つに、連続型確率変数の分布関数を使って新たな確率変数の密度関数を求める問題があります。ここでは、確率変数Xが連続型であり、Xの分布関数F(X)を使って新たな確率変数Y = F(X)の密度関数を求める方法を解説します。
問題の設定
まず、Xが連続型確率変数で、その確率密度関数がR上で正であるとします。また、FをXの分布関数とし、確率変数YをF(X)と定めます。このとき、Yの密度関数を求める問題です。
確率変数Yの定義とその分布関数
確率変数Yは、XをF(X)で変換したものです。F(X)はXの分布関数であり、定義によりF(X)は0から1の範囲で変動します。Y = F(X)と定義されたとき、Yの値は必ず[0, 1]の間に収まります。
Yの分布関数F_Y(y)は、F(X)がy以下である確率を表します。すなわち、F_Y(y) = P(Y ≤ y) = P(F(X) ≤ y)です。
Yの密度関数を求める方法
Yの密度関数f_Y(y)を求めるためには、まずYの分布関数F_Y(y)を微分する必要があります。具体的には、F_Y(y) = P(F(X) ≤ y) = P(X ≤ F⁻¹(y))となります。ここで、F⁻¹(y)はF(X)の逆関数です。
次に、Yの密度関数は以下のように求めます。
f_Y(y) = dF_Y(y)/dy = f_X(F⁻¹(y)) |d/dy(F⁻¹(y))|
ここで、f_XはXの確率密度関数であり、d/dy(F⁻¹(y))は逆関数の微分です。このようにして、Yの密度関数が求められます。
例:具体的な計算方法
例えば、Xが標準正規分布N(0, 1)に従う場合を考えます。Xの確率密度関数はf_X(x) = (1/√(2π)) * exp(-x²/2)です。Xの分布関数F(X)は標準正規分布の累積分布関数Φ(x)です。
このとき、Y = F(X) = Φ(X)となります。Yの密度関数を求めるには、まずYの分布関数F_Y(y) = P(Φ(X) ≤ y)を求め、次にその微分を行います。この過程を踏むことで、Yの密度関数f_Y(y)を計算することができます。
まとめ
確率変数Y = F(X)の密度関数を求める方法は、Yの分布関数F_Y(y)を導出し、それを微分することで得られます。このプロセスでは、Xの確率密度関数と逆関数の微分を利用することが重要です。基本的な手順を理解することで、他の問題にも応用できるようになります。
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