ひずみゲージを用いた計測において、ハーフブリッジ回路は非常に重要な役割を果たします。この回路がなぜ出力2倍になるのか、また、出力式e=1/2Eksεの意味について解説します。
ハーフブリッジ回路の概要とその働き
ひずみゲージを用いた計測では、抵抗の変化を電気信号に変換するためにブリッジ回路が用いられます。ハーフブリッジ回路は、その名の通り、ブリッジ回路の半分の構成を持ち、2つのひずみゲージを使用して信号を取得します。この構成により、2倍の感度を得ることができる理由は、回路の構造にあります。
ハーフブリッジ回路では、ゲージが異なる力を受けて変化した抵抗が、差動信号として取り出されます。この差動信号は、片側のゲージの抵抗が変化した際にもう一方が変化しないため、ノイズの影響を最小限に抑えることができます。また、これにより出力が2倍になるため、感度が向上します。
出力式 e = 1/2 Eksε の意味
この式は、ひずみゲージが受けるひずみ(ε)とゲージの感度(Eks)に基づいて、出力信号(e)を計算するためのものです。ひずみゲージの出力は、ゲージ自体の物理的変形によって生じた抵抗の変化に比例しており、これがひずみとして計測されます。
式の中で、Eksはゲージの感度、εはひずみ(変形の程度)を表します。ゲージの感度は、ゲージの設計や材料特性によって決まり、一般に1/2の係数がつくのは、ハーフブリッジ回路が2つのひずみゲージを使って出力信号を差動的に取得するからです。これにより、全体の出力信号が2倍に増加するため、このような表現が使われます。
ハーフブリッジ回路の利点
ハーフブリッジ回路の主な利点は、感度の向上だけでなく、ノイズ耐性の向上にもあります。ひずみゲージを2つ使うことにより、片方のゲージの抵抗変化に対する応答をもう一方で相殺することができるため、外部のノイズや干渉からの影響を減らすことができます。
また、信号の差動出力が得られるため、ひずみ測定の精度が高まり、工業用の精密な測定に適しています。これにより、非常に小さなひずみの変化でも高い精度で検出することが可能になります。
まとめ
ひずみゲージのハーフブリッジ回路は、出力を2倍にする効果があり、これは差動信号を利用して感度を向上させるためです。出力式e=1/2Eksεは、ひずみゲージの感度とひずみに基づいて出力を計算するもので、ハーフブリッジ回路によりこの式が適用されることで、出力が2倍になる仕組みを理解することができます。
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