順序集合の順序同型に関する証明

大学数学

大学数学の集合・位相の範囲で出題される順序同型に関する問題について解説します。ここでは、順序集合(A,≦)、(A’,≦’)、(A”,≦”)に関する3つの命題の証明方法を説明します。

命題1: (A,≦) ≃ (A,≦)

この命題は、任意の順序集合(A,≦)が自分自身と順序同型であることを証明します。順序同型の定義に基づき、任意の順序集合が自己同型であることは明らかです。具体的には、恒等写像f: A → Aを定義し、f(x) = xとすることで、fが順序を保つことを確認できます。よって、(A,≦) ≃ (A,≦)が成り立ちます。

命題2: (A,≦) ≃ (A’,≦’) ⇒ (A’,≦’) ≃ (A,≦)

この命題は、順序同型が対称的であることを示します。すなわち、(A,≦) ≃ (A’,≦’)であれば、(A’,≦’) ≃ (A,≦)も成り立つことを証明します。順序同型の定義により、f: A → A’が順序同型であれば、その逆写像f^(-1): A’ → Aも順序同型です。従って、(A’,≦’) ≃ (A,≦)が成立します。

命題3: (A,≦) ≃ (A’,≦’), (A’,≦’) ≃ (A”,≦”) ⇒ (A,≦) ≃ (A”,≦”)

この命題は、順序同型が推移的であることを示します。すなわち、(A,≦) ≃ (A’,≦’)かつ(A’,≦’) ≃ (A”,≦”)ならば、(A,≦) ≃ (A”,≦”)が成り立つことを証明します。順序同型の定義により、f: A → A’とg: A’ → A”が順序同型であれば、g∘f: A → A”も順序同型です。したがって、(A,≦) ≃ (A”,≦”)が成立します。

まとめ

順序同型に関する3つの命題について、順序同型の定義を基に証明を行いました。命題1は自己同型の存在、命題2は順序同型の対称性、命題3は順序同型の推移性を示しています。これらの結果は順序集合の理解を深める上で重要なポイントです。

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