確率分布と推移確率行列:交換法則に基づく問題解説

大学数学

この問題は確率論における推移確率行列と定常分布の概念を使用しています。2つのつぼAとBに球があり、時刻t=0, 1, 2,…で球を交換するという設定で、確率変数X(t)がAの中にある白球の数を示しています。問題のポイントは、X(t)の推移確率行列を求め、その定常分布を導出することです。

問題の理解

つぼAには赤球が2個、白球が0個、つぼBには白球が2個、赤球が0個ある状態でスタートします。各時刻で、つぼAとつぼBから1個ずつ球を取り出し、交換して戻すという操作を繰り返します。この操作を通じて、Aの中に白球が何個あるかを確率変数X(t)として表します。

ここで求めるのは、X(t)がどのように推移するかを示す推移確率行列と、その定常分布です。

ステップ1:X(t)の状態

X(t)は、つぼAの中にある白球の数を示します。X(t)が取ることのできる値は0, 1, 2の3通りです。それぞれの値について確率を求めるために、つぼAとつぼBから球を取り出して交換する過程を考えます。

例えば、X(t)=0のとき、Aには赤球が2つある状態なので、Bから白球をもらう確率は1、Aから赤球をBに渡す確率も1です。

ステップ2:推移確率行列の作成

次に、推移確率行列を作成します。推移確率行列は、状態が次の時刻にどう変化するかの確率を示す行列です。状態X(t)が0, 1, 2にある場合に、それぞれが次にどのように遷移するかを計算します。

たとえば、X(t)=0からX(t+1)=1に遷移する確率、X(t)=1からX(t+1)=2に遷移する確率などを求めます。これらの確率は、球を交換する確率に基づいて計算されます。

ステップ3:定常分布の計算

定常分布は、状態が時間が経過しても変化しない状態を示します。定常分布を求めるためには、推移確率行列を使って確率の変化を反映させ、定常状態における確率が一定になるように式を立てます。

推移確率行列を使用して、定常分布における各状態の確率を求めることができます。これには行列の固有値問題を解くことが必要です。

まとめ

この問題では、確率分布を理解し、推移確率行列を使用してX(t)の推移を計算することが求められます。また、定常分布は推移確率行列を解くことで得ることができ、長期的に状態が安定したときの確率を示します。この問題のアプローチを理解することで、確率論の基本的な考え方と計算方法をしっかりと身につけることができます。

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