実解析学におけるルベーグ外測度の計算は、集合の測度を求める上で非常に重要です。この記事では、任意の実数の部分集合に対するルベーグ外測度の計算方法を具体的な例を交えて解説します。
ルベーグ外測度の定義
ルベーグ外測度m*(A)は、集合Aに対してその測度を求めるための概念で、測度論における基本的な概念の一つです。ルベーグ外測度は、集合Aが実数直線上のどれだけの「広がり」を持っているかを測るために使用されます。
ルベーグ外測度は、次のように定義されます:任意の集合Aに対して、その外測度はAをカバーする区間の長さの最小値として定義されます。この概念を理解するためには、いくつかの具体的な例を考えるとよいでしょう。
問題(ⅰ) 一点集合{a}のルベーグ外測度
まず、集合{a}は実数aの一点から成る集合です。この場合、aだけを含む集合の長さ(測度)は0です。つまり、m*({a})は0となります。
実際に考えると、単一の点は空間において長さを持たないため、その外測度も0であることが分かります。
問題(ⅱ) 整数全体の集合Zのルベーグ外測度
次に、整数全体の集合Zに対してルベーグ外測度を求めます。Zは無限に多くの点を持つ集合ですが、それぞれの整数は実数直線上の単一の点に対応します。
整数の集合は、実数直線上の無限に多くの離散した点からなるため、これらの点の外測度もまた0です。したがって、m*(Z) = 0となります。
問題(ⅲ) 有理数全体の集合Qのルベーグ外測度
有理数全体の集合Qについても同様に考えます。有理数は実数の中で密に分布している無限の点を持つ集合ですが、これも離散的な点の集まりです。
有理数も整数と同様、無限に多くの点を持ちますが、各点は長さを持たないため、Qのルベーグ外測度も0となります。つまり、m*(Q) = 0です。
問題(ⅳ) 区間[a, b)のルベーグ外測度
次に、区間[a, b)に対するルベーグ外測度を求めます。この場合、区間[a, b)は実数直線上で長さを持つ範囲です。具体的には、この区間の長さはb – aとなります。
したがって、m*([a, b)) = b – aとなります。区間の長さはそのまま測度に対応しますので、この場合は区間の長さがそのままルベーグ外測度になります。
まとめ
ルベーグ外測度の計算は、集合の長さや「広がり」を求めるための基本的な概念です。今回の問題で示したように、一点集合や整数集合、有理数集合はすべて測度0となり、区間のように連続した範囲を持つ集合はその長さがそのまま測度となります。これらの計算方法を理解することで、ルベーグ外測度の概念がより明確に理解できます。
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