この記事では、数学の不等式に関する問題を解決する方法を解説します。特に、log(1+x)≦x や x-(x^2/2)≦log(1+x) の証明方法、そして極限値の求め方に焦点を当て、具体的な解法を順を追って説明します。これにより、数学的な理解を深めることができ、問題を効率的に解く方法を学べます。
log(1+x)≦x の証明
まず最初に、x > -1 のとき、不等式 log(1+x) ≦ x を示します。これは、x > -1 という範囲でのlog(1+x)とxの関係を証明するものです。
この不等式を証明するためには、関数 f(x) = log(1+x) – x の振る舞いを調べることが有効です。関数 f(x) を微分し、増減を調べることで、証明が可能となります。微分した結果、f'(x) = 1/(1+x) – 1 となり、f'(x) = (x)/(1+x) と表されます。これがx > -1 で正であることから、f(x) は単調増加するため、証明が成立します。
x-(x^2/2)≦log(1+x) の証明
次に、x ≧ 0 のとき、不等式 x – (x^2 / 2) ≦ log(1+x) を証明します。この不等式も、関数 f(x) = log(1+x) – (x – x^2/2) を使って証明します。
関数 f(x) の導関数を求めると、f'(x) = 1/(1+x) – 1 + x となり、この導関数がx ≧ 0 の範囲で正であることが確認できます。これにより、f(x) は増加関数であり、x = 0 で f(0) = 0 となるため、不等式が成立することが証明できます。
極限値 lim[n→∞]An の計算方法
次に、An = (1 + 1/n^2) × (1 + 2/n^2) × … × (1 + n/n^2) の極限値を求めます。この問題は、積の極限を求める問題です。
An を展開してみると、An = Π(1 + k/n^2) となります。ここで、n → ∞ のとき、各項 (1 + k/n^2) は 1 に収束することが分かります。しかし、これらの項の積を考えると、各項が1に近づく速度が非常に遅いため、lim[n→∞]An は e^(1/2) であることが示されます。
まとめ
今回は、数学的な不等式や極限の問題に関する証明方法について解説しました。log(1+x) ≦ x の証明や x – (x^2 / 2) ≦ log(1+x) の証明、そして An の極限値を求める方法について、実際にどのように証明していくかを具体的に見ていきました。これらの問題を解くためには、関数の微分や積の極限など、基本的な数学的手法を駆使することが重要です。
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