FENa(腎臓のナトリウム排泄率)を求める計算でよく混乱しがちな点は、尿中と血清のクレアチニンやナトリウムの分子・分母がどれであるかです。この計算方法は一見難しそうですが、覚えるための簡単な方法を紹介します。
FENaとは?
FENa(Fractional Excretion of Sodium)は、腎臓のナトリウム排泄率を示す指標で、腎臓がナトリウムをどれだけ排泄しているかを計算します。FENaは、急性腎障害(AKI)の診断において、腎前性か腎性かを区別するために使用されることが多いです。
FENaの計算式とその覚え方
FENaを計算する式は以下の通りです。
FENa = (尿中ナトリウム濃度 × 血清クレアチニン濃度) / (尿中クレアチニン濃度 × 血清ナトリウム濃度) × 100
ここで、ナトリウムとクレアチニンの分子・分母を覚えるのに役立つ簡単な覚え方があります。ポイントは、「小さい値2つ(尿中ナトリウム、尿中クレアチニン) ÷(大きい値2つ(血清ナトリウム、血清クレアチニン))」という構成です。これを覚えると、計算が簡単にできるようになります。
計算方法の実例
例えば、尿中ナトリウムが50 mEq/L、尿中クレアチニンが1 mg/dL、血清ナトリウムが140 mEq/L、血清クレアチニンが2 mg/dLの場合、FENaは次のように計算されます。
FENa = (50 × 2) / (1 × 140) × 100 = (100) / (140) × 100 ≈ 71.4%
このように、分子と分母が決まっている場合は簡単に計算できます。
FENaの計算を楽にするためのヒント
FENaを計算する際に、最も重要なのは分子と分母の位置を正しく理解することです。特に、尿中の値と血清の値をしっかり区別することがポイントです。少し慣れれば、この計算式を素早く覚え、急性腎障害の診断に活用することができるようになります。
まとめ
FENaの計算は最初は難しく感じるかもしれませんが、分子と分母の位置を覚えておくと、計算が簡単にできるようになります。「小さい値2つ ÷ 大きい値2つ」を覚えておくことで、計算の際に迷わずにすみます。実際の計算例を参考に、何度も練習することで、確実にFENaを計算できるようになるでしょう。
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