ICC(級内相関係数)は、評価者間や評価者内での信頼性を測定するために使用される統計的手法です。特に、医療や心理学などの分野でよく用いられますが、ICCの種類や使い方については混乱を招くことがあります。今回は、ICC(1.1)とICC(3.1)の選択基準について詳しく解説し、正しい分析方法を探ります。
ICCとは?
ICC(Intraclass Correlation Coefficient)は、測定結果がどれだけ信頼できるか、つまり一貫性を示す指標です。通常、評価者が同じ対象に対して同じ結果を得られるか、あるいは複数の評価者が同じ結果を得られるかを測定します。ICCは、0から1の間の値を取ります。1に近いほど高い信頼性を示します。
ICC(1.1)とICC(3.1)の違い
ICC(1.1)とICC(3.1)は、評価者内信頼性を測定するために異なる条件を使用します。ICC(1.1)は、単一の評価者が測定した場合に使用され、評価者間の誤差を考慮しません。一方、ICC(3.1)は、複数の評価者間での一致度を測定するため、評価者間の誤差も考慮します。質問者が行ったICC(1.1)による信頼性確認は、評価者間の一致度を無視している可能性があり、ICC(3.1)を使う方が妥当だという意見が示されることがあります。
ICC(3.1)の使用が推奨される理由
ICC(3.1)は、複数の評価者がデータを測定する場合に使用されるべきです。もし、評価者が複数人である場合、その間の一致度を測定し、評価者内信頼性を確認するためにICC(3.1)を使うべきです。これにより、評価者間のばらつきを正確に測定でき、より信頼性の高いデータを得ることができます。
正しい解析方法を選ぶには?
ICC(1.1)とICC(3.1)の選択は、解析の目的によって決まります。もし、単一の評価者の結果に基づいて信頼性を測定したいのであればICC(1.1)を使用しますが、評価者間の一致度も重要な要素であればICC(3.1)を選択するべきです。文献で推奨された通り、複数の評価者を含む場合はICC(3.1)が妥当な選択となります。
まとめ
ICC(1.1)とICC(3.1)はどちらも信頼性の測定に重要ですが、使用する状況に応じて適切なものを選ぶことが重要です。単一の評価者の結果を確認したい場合はICC(1.1)を、複数の評価者間の一致度を確認したい場合はICC(3.1)を選びましょう。
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