マグニチュードと地震の規模: どれくらいの震度が大きな地震といえるか

地震の規模を表すマグニチュードは、一般的に「どれくらい大きな地震か」を測るための指標としてよく使われます。しかし、マグニチュードだけでは地震の影響や感覚を正確に伝えることは難しいため、実際にどの程度のマグニチュードで「大きな地震」と感じるかを考察することが重要です。

マグニチュードの定義とその計測方法

マグニチュードは、地震が発生した時に放出されるエネルギーの量を示す指標です。最も広く使用されているのは、リヒタースケールに基づくマグニチュードの測定方法です。このスケールでは、各増分が10倍のエネルギー差を意味し、マグニチュードが1増えると地震のエネルギーは10倍になると言われています。

たとえば、マグニチュード7の地震は、マグニチュード6の地震に比べて10倍のエネルギーを放出します。しかし、マグニチュードの数値が高くても、必ずしもその地震が大きな被害を及ぼすわけではない点に注意が必要です。

マグニチュード7は確かに非常に強い地震であり、特に都市部や人口密集地で発生すると大きな影響を与える可能性があります。例えば、1995年の神戸市で発生した阪神淡路大震災はマグニチュード7.3でしたが、震源が浅かったこと、都市圏での発生ということもあり、甚大な被害をもたらしました。

一方で、マグニチュード7以上でも震源が深かったり、人口密度の低い地域で発生した場合には、必ずしも大きな被害を引き起こすわけではありません。例えば、2016年の熊本地震（マグニチュード7.0）は深い震源を持っていたものの、その地震活動の継続性と断層運動が影響し、大きな被害を引き起こしました。

マグニチュードが地震のエネルギーを測る一方で、震度はその地震が実際にどれくらい感じられるかを表します。震度6や震度7は、いずれも強い揺れを感じることができ、建物への影響も大きくなります。

例えば、2018年の大阪府北部地震はマグニチュード6.1でしたが、震度6を記録した地域では家屋の倒壊や広範囲での停電などが発生し、大きな被害をもたらしました。しかし、同じ震度でも地域によって影響が異なるため、震度だけでは地震の規模を完全に理解することは難しいことがわかります。

マグニチュード9の地震、いわゆる「巨大地震」は非常に稀であり、過去には2011年の東日本大震災（マグニチュード9.0）がその代表例です。こうした大規模な地震は、放出されるエネルギーの規模が非常に大きいため、広範囲にわたる影響を及ぼし、津波や地盤沈下などの二次災害を引き起こすことがあります。

しかし、マグニチュード9のような地震は予測が非常に難しく、発生の頻度も低いため、より一般的なマグニチュード7や8の地震が今後どの地域で発生するかに焦点を当てて備えていくことが重要です。

マグニチュード7は確かに「大きな地震」であり、その影響を軽視することはできません。特に都市部で発生した場合、深刻な影響を及ぼす可能性が高いです。重要なのは、マグニチュードの数値だけでなく、震源の深さや発生場所、地盤の状態なども考慮することです。

今後の地震に備えるためには、どのマグニチュードでも適切な準備と防災対策が不可欠であり、地域ごとのリスクに応じた備えが求められます。