熱力学におけるエクセルギー(有効エネルギー)は、熱機関やサーマルプロセスの効率を理解するための重要な概念です。この問題では、高温熱源と低温熱源の温度を用いて、エクセルギーを計算する方法について解説します。
エクセルギーの定義と求め方
エクセルギーとは、熱エネルギーのうち、仕事をすることができる部分を指します。熱機関でのエクセルギーは、供給される熱エネルギーとその熱源の温度から計算することができます。ここで重要なのは、エクセルギーは温度差に依存し、低温熱源が関与することで、エネルギーの有効性が変わるという点です。
エクセルギー計算式の導入
エクセルギーの計算には以下の公式を使用します。
エクセルギー = Q × (1 - Tlow / Thigh)
ここで、Qは供給される熱量(3100 kJ)、Tlowは低温熱源の温度(20℃ = 293.15K)、Thighは高温熱源の温度(800℃または1200℃に変換する必要があります)です。
具体的な計算例
高温熱源が800℃の場合と1200℃の場合、それぞれのエクセルギーを計算してみましょう。まず、温度をケルビンに変換します。
- 800℃ = 1073.15K
- 1200℃ = 1473.15K
次に、それぞれのエクセルギーを求めます。
エクセルギー800℃ = 3100 × (1 - 293.15 / 1073.15) ≈ 3100 × (1 - 0.273) ≈ 3100 × 0.727 ≈ 2254.7 kJ
エクセルギー1200℃ = 3100 × (1 - 293.15 / 1473.15) ≈ 3100 × (1 - 0.199) ≈ 3100 × 0.801 ≈ 2483.1 kJ
計算結果の解釈
この計算結果からわかるように、温度が高いほど、エクセルギーが増加します。800℃の熱源に比べて、1200℃の熱源ではより多くの有効エネルギーを取り出すことができることがわかります。これにより、エネルギー効率が向上し、熱機関がより効率的に動作することが期待できます。
まとめ
エクセルギーの計算は、高温熱源と低温熱源の温度を用いて、供給される熱量から有効エネルギーを求める重要な手法です。この計算によって、熱機関の効率や仕事をする能力が理解できます。高校物理や大学初年度の熱力学の学習において、エクセルギーを計算することは非常に役立ちます。
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