大学の数学で出てくる問題の一つに、e^z = i を満たす複素数zを求める問題があります。このような問題は、複素指数関数を理解しているとスムーズに解けますが、初めて解く方には少し難しいかもしれません。この記事では、その解法を順を追って説明します。
複素数の指数関数とオイラーの公式
まず、複素数zをz = x + iy (x, y ∈ ℝ) とおきます。指数関数の複素数表現に関しては、オイラーの公式を利用します。
e^(iθ) = cos(θ) + i sin(θ)
この公式により、複素指数関数を三角関数で表現することができます。問題の式e^z = iにおいて、iは複素数単位であり、i = e^(iπ/2)です。この情報を使って問題を解いていきます。
問題の解法:e^z = i
与えられた式はe^z = iです。zが複素数であることを考慮し、z = x + iyとおきます。
まず、両辺にオイラーの公式を適用すると。
e^(x + iy) = e^x * e^(iy)
ここで、e^xは実数の部分であり、e^(iy)はオイラーの公式によりcos(y) + i sin(y)となります。したがって、式は次のように展開されます。
e^x * (cos(y) + i sin(y)) = i
次に、iはcos(π/2) + i sin(π/2)ですから、これを式に合わせると。
e^x * (cos(y) + i sin(y)) = cos(π/2) + i sin(π/2)
実部と虚部の一致
実部と虚部を比較することで、xとyの値を求めることができます。実部からはe^x * cos(y) = 0、虚部からはe^x * sin(y) = 1となります。
実部の式e^x * cos(y) = 0から、cos(y) = 0であることがわかります。よって、y = (2k + 1)π/2 (k ∈ ℤ)となります。
虚部の式e^x * sin(y) = 1から、sin(y) = 1であることがわかります。したがって、y = π/2 + 2kπ (k ∈ ℤ) となり、これを満たすyの値が得られます。
zの解を求める
これらを満たすzの値は、z = ln(1) + i(π/2 + 2kπ) となります。したがって、zは次のように求められます。
z = i(π/2 + 2kπ)
このように、zの解は複素数の形で求めることができ、kの値を整数で取ることで無限に多くの解が得られることがわかります。
まとめ
問題e^z = iを解くためには、オイラーの公式と複素数の指数関数の特性を利用することが重要です。最終的に得られる解は、z = i(π/2 + 2kπ)であり、kは任意の整数です。このようにして、複素数の指数関数に関する基本的な理解を深めることができます。
コメント