カイ二乗検定とG検定を用いた遺伝学的仮説の検証方法

植物

大学の授業で出題されることが多い遺伝学における交配実験の問題において、カイ二乗検定やG検定を用いて観察結果が遺伝学的仮説に適合するかどうかを確認する方法について解説します。特に、F1の交配や戻し交配を行った場合にどのように解析するかを、具体的な例を用いて説明します。

問題の概要

問題の設定は、丈が高く赤色の花を持つハイビスカスと、丈が低く白色の花を持つハイビスカスを交配した結果得られたF1個体を、戻し交配した際の分離比に関するものです。この場合、F1のすべての植物を丈が低く、白色花の品種に戻して交配したところ、4種類の表現型(高-赤、低-赤、高-白、低-白)が得られました。

カイ二乗検定の方法

カイ二乗検定を使用して、観察されたデータが1:1:1:1の遺伝学的仮説に適合するかどうかを調べます。まず、各表現型の観察された個体数を基に期待値を計算し、次にカイ二乗統計量を計算します。計算式は次の通りです:
カイ二乗 = Σ[(観察値 – 期待値)² / 期待値]

G検定の方法

G検定もカイ二乗検定と同様に分離比の適合性を検定する方法ですが、少数データが含まれる場合にはG検定の方が適しているとされます。G検定の統計量は次の式で計算できます:
G = 2 Σ[観察値 × ln(観察値 / 期待値)]

観察データと期待値

観察されたデータは次の通りです:
高-赤188、高-白203、低-赤175、低-白178。期待値は1:1:1:1の分離比に基づいて計算します。F2集団における個体数は188 + 203 + 175 + 178 = 744です。期待値は各表現型で744を4で割った数、つまり744 ÷ 4 = 186です。

カイ二乗検定の結果

観察値と期待値を基にカイ二乗値を計算します。計算式に当てはめてカイ二乗値を求め、その結果を自由度3(4つの表現型 – 1)のカイ二乗分布表と比較して有意性を確認します。

G検定の結果

G検定を行う場合も同様に観察値と期待値を用いて計算し、得られたG値を自由度3のG分布と比較します。どちらの検定も5%水準で有意性を判定します。

まとめ

カイ二乗検定とG検定を用いて、遺伝学的仮説に基づく分離比が観察されたデータに適合するかどうかを確認することができます。今回は1:1:1:1の遺伝学的仮説が適合するかどうかを検証する問題でしたが、これらの検定方法は遺伝学や生物学の実験で広く使用されています。

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