キイロショウジョウバエの棒眼遺伝子におけるF2集団の分離解析

生物、動物、植物

大学の授業で出題された問題に関して、キイロショウジョウバエ(D.melanogaster)の棒眼遺伝子(B)における遺伝的分離について解説します。問題では、雌と雄の遺伝的組み合わせに基づいてF2集団における分離の仕方を問われています。この解説では、遺伝の基本的な概念を理解した上で、問題の答えをわかりやすく説明します。

キイロショウジョウバエの棒眼遺伝子とは

キイロショウジョウバエ(D.melanogaster)は、遺伝学の実験でよく使用されるモデル生物です。この生物の棒眼遺伝子(B)は、X染色体上に位置しています。棒眼遺伝子がホモ接合またはヘテロ接合で発現し、正常な眼と異なる形状の眼が形成されます。棒眼遺伝子はX連鎖遺伝子であるため、性別による発現の差異が見られます。

問題の解説

この問題では、2つの異なる親の遺伝子型に基づいてF2集団の分離について質問されています。問題は、以下の2つの交配に関するものです。

  • a. 雌が正常、雄が棒眼の場合
  • b. 雌が棒眼、雄が正常の場合

まずは、これらの交配をそれぞれ考えてみましょう。

交配a: 雌が正常、雄が棒眼の場合

この場合、雌は正常の遺伝子型を持ち、雄はX染色体上に棒眼遺伝子(B)を持っています。雌はXX、雄はXYです。これにより、F1世代で遺伝子がどう分配されるかを考えます。F1世代の遺伝子型は、雌と雄のX染色体の組み合わせによって決まり、次のような遺伝的分離が予想されます。

  • 雌はX染色体を2本持っているため、B遺伝子を受け継ぐ確率が50%。
  • 雄はX染色体を1本しか持たないため、B遺伝子を持つ場合、すべての雄は棒眼を持つことになります。

この場合、F2集団では正常と棒眼の比率が1:1に分かれることが予想されます。

交配b: 雌が棒眼、雄が正常の場合

この場合、雌は棒眼遺伝子を持つX染色体を持ち、雄は正常の遺伝子を持つX染色体を持っています。交配を行うと、F1世代の遺伝子型は次のようになります。

  • 雌のX染色体は棒眼遺伝子を持つX染色体を1本、正常なX染色体を1本持っています。
  • 雄は正常なX染色体を持ち、Y染色体を持っています。

この場合、F2世代の遺伝子型は次のように分離します。

  • 正常なX染色体を受け継ぐ雌が正常の眼を持ち、B遺伝子を持つX染色体を受け継ぐ雌が棒眼の眼を持つ。
  • 雄は正常のX染色体を持つものと、棒眼遺伝子を持つX染色体を受け継ぐものが1:1で現れる。

まとめ

この問題を解くためには、X連鎖遺伝の基本的な法則を理解することが重要です。雌と雄の性別や遺伝子型の組み合わせにより、F2集団における遺伝の分離がどのように起こるかを考え、遺伝子の表現型の予測を行うことが求められます。今回の問題では、交配aと交配bの2つの遺伝的分離について分析しました。

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