コンクリートのひび割れについて:乾燥収縮と温度ひび割れの違いと拘束状態

建築

コンクリート構造物のひび割れには、乾燥収縮ひび割れと温度ひび割れなど、さまざまな原因があります。特に、拘束によるひび割れがどのように生じるのかは、理解するのが難しい場合もあります。この記事では、これらのひび割れの違いと、拘束がひび割れに与える影響について詳しく解説します。

乾燥収縮ひび割れと温度ひび割れの違い

コンクリートは硬化過程で水分を失い、体積が縮む現象(乾燥収縮)が起こります。この収縮が過剰に発生すると、ひび割れが生じます。乾燥収縮ひび割れは主にコンクリートが十分に硬化していない状態で発生します。一方、温度ひび割れはコンクリートが温度変化によって膨張・収縮することによって起こります。温度変化が急激であったり、温度差が大きい場合にひび割れが発生します。

両者の違いは、原因となる要素(乾燥による収縮と温度変化)にあります。乾燥収縮は湿度や水分量に依存し、温度ひび割れは温度差や急激な温度変化に依存します。これにより、それぞれが発生する環境やタイミングが異なります。

拘束がひび割れに与える影響

拘束とは、コンクリートの膨張や収縮が周囲の構造部材や外部からの力によって制約される状態を指します。例えば、コンクリートが成型されて硬化する際、周囲の部材(例えば鉄筋や他のコンクリート部分)が膨張や収縮を妨げると、その部分に応力がかかり、ひび割れが発生することがあります。このようなひび割れは、拘束によって生じる「拘束ひび割れ」と呼ばれます。

具体的には、コンクリートが硬化する際に、上部に「ハの字」のひび割れが生じる場合があります。これは、構造物が伸縮して、拘束力によってひび割れが発生するためです。逆に、下部に「逆ハの字」のひび割れが生じる場合もあります。これは収縮の力が下方向に作用していることを意味します。

開口部四隅の斜めひび割れの原因

開口部四隅に斜めのひび割れが生じることもあります。これは、構造物が収縮する際に、その部分で発生する応力が集中するためです。特に、開口部周辺のコンクリートが拘束を受けると、その部分にひび割れが生じやすくなります。このようなひび割れは、開口部周辺の構造が収縮する際に外部の力が加わることで発生します。

まとめ

コンクリートのひび割れには、乾燥収縮ひび割れと温度ひび割れの2種類がありますが、どちらもコンクリートの膨張や収縮に関係しています。また、拘束状態がひび割れを引き起こすことがあります。特に、開口部四隅の斜めひび割れや、上部・下部での「ハの字」や「逆ハの字」ひび割れは、周囲の部材からの拘束を受けて生じることが多いです。コンクリートのひび割れが発生する原因を理解することで、より適切な対策を講じることが可能になります。

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