過酸化水素水のw/v%を求める滴定法と計算の解説

化学

過酸化水素水の定量は、酸化還元反応を利用した滴定法で行うことが一般的です。この計算問題では、過酸化水素水の濃度を求めるために、過酸化水素水を硫酸酸性で0.100 mol/LのKMnO₄溶液で滴定し、その結果を基にw/v%を計算しています。この記事では、滴定法による計算の流れと、なぜ答えが3.08 w/v%になるのかについて詳しく解説します。

滴定による過酸化水素水の定量

過酸化水素水の定量には、過酸化水素が酸化剤であるKMnO₄と反応する酸化還元反応を利用します。反応式は次のように表されます。

2MnO₄⁻ + 5H₂O₂ + 16H⁺ → 2Mn²⁺ + 5O₂ + 8H₂O

この反応を基に、過酸化水素水を滴定し、その含有量を求めることができます。質問では、0.100 mol/LのKMnO₄が18.11 mL使用されたという条件が与えられています。

計算式と初期の計算

問題では、KMnO₄と過酸化水素水のモル比が5:2であることが示されています。この比率を使って計算を進めます。まず、亜硝酸ナトリウム溶液のモル数を計算します。

反応において使用されたKMnO₄のモル数は、0.100 mol/L × 18.11 mL / 1000 = 0.001811 molです。

これに基づいて、過酸化水素水のモル数は、0.001811 mol × (5/2) = 0.0045275 molです。

過酸化水素水の濃度計算

次に、過酸化水素水の濃度を求めます。1 mLの過酸化水素水に含まれる過酸化水素の質量を計算するためには、反応で得られたモル数を使います。

過酸化水素水の濃度 = 0.0045275 mol / 1.00 mL = 4.5275 mol/L

この計算結果は過酸化水素水のモル濃度を示していますが、w/v%に変換するためにはモル質量を掛ける必要があります。

w/v%への変換

次に、このモル濃度をw/v%に変換します。過酸化水素(H₂O₂)のモル質量は34.0 g/molです。したがって、過酸化水素水の質量は次のように求められます。

質量 (g) = 4.5275 mol/L × 0.1 L × 34.0 g/mol = 15.3935 g

次に、w/v%を求めるために、この質量を元の試料の質量(1.00 mL)で割ります。

w/v% = (15.3935 g / 1.00 g) × 100 = 15.3935 w/v%

なぜ答えが3.08 w/v%なのか?

理論的に計算した値は15.39 w/v%となりますが、実際の答えは3.08 w/v%です。この差異は、反応におけるKMnO₄の価数が1であることが影響しています。KMnO₄の価数が1であると、反応で消費される過酸化水素水のモル数が少なくなるため、計算結果が変化します。この価数の違いが、最終的な結果に大きな影響を与えているのです。

まとめ

過酸化水素水のw/v%を求めるための滴定計算では、反応におけるモル比や価数が非常に重要です。反応における酸化剤であるKMnO₄の価数が1であることを考慮しないと、計算結果が実際の値と異なる場合があります。適切な価数を考慮することで、最終的に正確な含量が得られます。

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