「xがどんな実数値をとっても不等式ax²+6x+a>0が成り立つような定数aの値の範囲を求めよ。」と「xがある実数値をとるとき不等式ax²+6x+a>0が成り立つような定数aの値の範囲を求めよ。」という問題は、表現が異なるものの解法においては重要な違いがあります。この記事では、それぞれの問題が意味する内容の違いとその解き方を解説します。
問題の意味の違い
最初の問題「xがどんな実数値をとっても不等式が成り立つ」の場合、全ての実数xに対して不等式が成り立つaの値を求める必要があります。つまり、グラフがx軸の下に来ることがなく、常に上にある必要があります。
一方で、2つ目の問題「xがある実数値をとるとき不等式が成り立つ」の場合は、特定のxにおいて不等式が成り立つようなaの値を求めます。この問題では、一般的に範囲の求め方が少し違い、特定のxにおける条件を見つける必要があります。
最初の問題の解法
「xがどんな実数値をとっても」という条件では、不等式ax²+6x+a>0が常に成立するためには、2次関数の判別式Δ = b²-4acが負である必要があります。これにより、放物線がx軸と交わらない(解を持たない)ことがわかります。
この問題では、判別式Δ = 6² – 4 * a * a = 36 – 4a²とし、このΔが常に負であるためには、36 – 4a² < 0となり、aの範囲は-3 < a < 3となります。
2つ目の問題の解法
「xがある実数値をとるとき」という条件は、特定のxに対して不等式が成り立つ場合を求めます。この場合、xの値を具体的に代入して不等式が成立するaの範囲を求める方法になります。例えば、x = 0における不等式を考えると、a * 0² + 6 * 0 + a > 0 となり、a > 0という条件が得られます。
ただし、問題にあるように「ある実数値をとるとき」という条件が具体的に示されていない場合、xの範囲を指定して解くことになります。
まとめ
このように、「どんな実数値をとっても」と「ある実数値をとるとき」では、解くべき範囲が異なります。最初の問題は全体にわたる条件を満たすaの範囲を求めるもの、2つ目の問題は特定のxにおける条件を満たすaを求めるもので、それぞれ異なる方法で解法を進める必要があります。
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