εδ論法を使ってlim x→0の極限を求める方法

数学

εδ論法(ε-δ論法)は、数学における極限の定義を厳密に扱うための強力なツールです。この記事では、lim x→0の式「(√(1 + x²) – √(1 – x²)) / x²」をε-δ論法を使って解く方法を詳しく解説します。最終的には、計算の手順とともに、端的な解答例も示します。

ε-δ論法とは?

ε-δ論法は、関数の極限を厳密に証明するための方法です。この方法は、任意のε(エプシロン)に対して、あるδ(デルタ)を見つけることで、「xが0に近づくとき、関数の値がある定数に近づく」ことを証明します。これにより、極限の正確な意味を定義することができます。

問題の式とその形

問題となっている式は、次のような形です。

lim (x→0) (√(1 + x²) – √(1 – x²)) / x²

この式の解法では、まず分母と分子を変形して、極限をより扱いやすくすることが重要です。

分母と分子の処理:平方根の差を使う

まず、分子の平方根の差を扱うために、以下のように分子と分母に共役を掛けます。

(√(1 + x²) – √(1 – x²)) * (√(1 + x²) + √(1 – x²)) / (x² * (√(1 + x²) + √(1 – x²)))

これにより、分子が差の平方となり、計算が簡単になります。

[(1 + x²) – (1 – x²)] / (x² * (√(1 + x²) + √(1 – x²)))

結果として、分子は2x²になります。よって、この式は次のように簡単化できます。

2x² / (x² * (√(1 + x²) + √(1 – x²)))

ここでx²をキャンセルして、最終的に次の式が得られます。

2 / (√(1 + x²) + √(1 – x²))

極限を計算する

次に、x→0のときのこの式の極限を求めます。xが0に近づくとき、(√(1 + x²) + √(1 – x²))は2に近づきます。したがって、最終的にこの式は次のようになります。

lim (x→0) 2 / (√(1 + x²) + √(1 – x²)) = 2 / 2 = 1

まとめ:ε-δ論法を使った解法

ε-δ論法を使って、この問題を解くには、まず分子の平方根の差を共役を掛けることで簡単にし、その後で極限を計算します。最終的な結果は、lim x→0 (√(1 + x²) – √(1 – x²)) / x² = 1 です。

ε-δ論法を適用することで、極限の計算を厳密に行うことができ、理解が深まります。是非、他の問題にも応用してみてください。

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